人工知能(AI)を利用した製品やサービスが日常にますます浸透していく中、これまで以上に「誰がAIを開発しているか」が重要になっている。AI開発にはそれに携わる人たちの世界観が深く反映され、担当者の倫理観や設計の選択に囚われがちだからだ。より広範かつ多様な人々の役に立つAIを構築するには、開発者の多様性が欠かせない。その妨げになっているのが、高度なAI人材をはじめとする重要なリソースが、ごく一部の都市に集中していることだ。本稿では、AI人材が集積している都市「世界トップ50」を特定し、そこから得られた知見を通じて、企業が取るべき戦略を論じる。 人工知能(AI)は一つの節目を越えたといえるだろう。「AIはこの5年の間に、もっぱら大学の研究室のような高度にコントロールされた環境で用いられるものから、実社会で人々の生活に影響を及ぼすものへと大きな飛躍を遂げた」と、スタンフォード大学のプロジェクト「
