7月8日,東京六本木の学術会議講堂において,同会議主催のシンポジウム「身体・性差・ジェンダー,生物学とジェンダー学の対話」が開催された。 シンポ企画者の江原由美子・首都大学東京教授は,「ジェンダー学はこの20年で大きな進歩をとげてきたが,学問世界での評価は必ずしも高くない。特に理系の研究者の理解が不足しているのでは」と背景を説明した。あいさつに立った学術会議会長の黒川清・東京大学教授は「参加希望者は,この種のシンポでは驚くほど多かった」と反響の大きさを指摘していた。おもなシンポジストの講演は次のとおりだった。 東京大学教授の上野千鶴子さんは「ジェンダー概念の意義と効果」と題して,次のように講演した。 上野さんは,はじめに生物カテゴリーとしてのセックスを次のように解説。 セックスを決めるものは,遺伝子,性染色体,性腺,内分泌,内性器,外性器などだが,そこには男と