【パリ=林路郎】パリ大審裁判所(地裁に相当)は18日、インターネット検索最大手の米グーグル社が、仏大手出版社の同意を得ずに同社の書籍を大量に電子化したのは著作権侵害だとして、グーグル社に電子化の差し止めと、30万ユーロ(約3900万円)の損害賠償支払いを命じる判決を言い渡した。 仏メディアによると、グーグル社に書籍の電子化差し止めを命じた判決は世界で初めて。同社が進める電子図書館計画に影響を及ぼす可能性もある。 訴えていたのは仏業界3位のマルティニエール社。仏出版業界の530社が同社の訴えを支持していた。 訴えでマルティニエール社側は、「グーグル社は他人の著作物を無差別に電子化することで、結果的に収益を上げるだろうが、著作権者には何の利益もなく、むしろ損害だ」と主張。グーグル社側は、「電子化は各書籍の一部に限っており、著作権を侵害するものではない」と反論していた。 サルコジ大統領は14日の
京都大は、学生の相次ぐ薬物事件などを受けて、新入生を対象に法令順守などを教える初年次教育を2010年度から実施する方針を固めた。 これまで教員の間では「学生はもう大人。そこまでやる必要はない」との意見が多数派だったが、次第に危機感が広がったためで、交通マナーを教える講義も予定されている。自由の学風、自学自習の伝統で知られた京大の〈方向転換〉は、大学全入時代を迎えた大学の役割変化を象徴するものとして注目されそうだ。 京大では数年前から、学部単位で、向学の心構えなどを教える初年次教育を実施していた。しかし、学習意欲のない学生が目立つようになった上、今年は2人の学生が大麻、覚せい剤を所持したとして逮捕された。 このため大学側は、「人間としての基礎的な教育」に重点を移し、全学共通カリキュラムとすることを決定。教育・研究の質の向上などを目指し、2010年度からの6年間を期間とする「中期目標・中期計画
総合政策学部の学生グループが、キャンパス内の男子学生を対象にアンケートをした結果、10%を超える学生が「草食系」と判断される回答を寄せたことがわかった。 学生グループは「『草食系』を取り上げているメディア報道から受けた印象に比べ、意外に少なかった」としている。 古川靖洋教授(計量経営学)のゼミ所属の3年生5人が、「『草食系男子』とされる学生に特有な消費行動」を分析するため、同キャンパス内の総合政策、理工両学部で10月下旬に実施した。 男子学生約400人を対象に〈1〉「自由に使える金はファッションに費やす」など外見関連〈2〉「気になる女性にはアプローチする」など恋愛関連〈3〉「どちらかというと中立を貫きたい」など他者優先志向の有無――の3分野について、順不同で40項目を質問。370人から得た有効回答を統計用プログラムで解析し、学生たちの傾向を分析した。 「外見へのこだわりが強い反面、恋愛に対
電機メーカーの日本ビクターとケンウッドの持ち株会社「JVC・ケンウッド・ホールディングス」が、ビクターの音楽ソフト事業をゲームソフト大手のコナミに売却する方向で調整していることが3日、明らかになった。 月内にも決定する。消費低迷や音楽のネット配信の拡大などで、音楽ソフト市場は縮小傾向にあり、今後も業界再編の動きが相次ぐ可能性がある。 JVCは、音楽ソフト子会社「ビクターエンタテインメント」株の過半数を売却する方向でコナミと交渉している。JVCは、音楽ソフト大手のユニバーサルミュージックなどにも売却を打診した模様だが、現時点ではコナミが最有力とみられている。 JVCは、売却益を映像関連機器など中核事業の強化に充てる。一方、コナミは、ゲームソフトを中心に映像や音楽ソフト、携帯電話向け配信などの事業を展開しており、買収が実現すれば幅広い分野で相乗効果が期待できる。 ビクターエンタテインメントは1
パソコンや携帯電話の交流サイト「ミクシィ」上で人気のゲーム「サンシャイン牧場」のシステムに不具合があり、クレジットカードでアイテムを購入した利用者の電話番号とメールアドレス最大約4200人分が第三者によって取得可能な状態になっていたことが2日、明らかになった。 同ゲームは230万人が利用するほどの人気で、ミクシィは「トラブルを重く受け止めている」として、今後、審査制度を見直す方針。 ミクシィによると、トラブルがあったのは10月21日〜23日。 同ゲームは、ミクシィ上で会員が利用できるが、実際に制作・運営しているのは中国のゲーム会社「リクー・メディア」。 画面上に自分の「農園」や「牧場」を作って、トマトやナスなどを植えて収穫したり、ニワトリやヤギなどの動物を育てたりするゲームで、8月末にスタート。 最初はすべて無料で遊べるシステムだったが、10月21日から、有料の特別アイテムを使える仕組みを
読売新聞社が15日からの第62回新聞週間を前に実施した面接方式の全国世論調査で、情報や知識を得るために新聞は必要だと思う人は91%に達し、昨年の90%と同様の高い数値を記録した。 新聞の報道を信頼できると答えた人は85%(昨年85%)に上り、国民の多くが新聞を評価していることがわかった。 新聞について「必要とする情報や日常生活に役立つ情報を提供している」と思う人は88%(同86%)、「事実やいろいろな立場の意見などを公平に伝えている」は69%(同66%)、「国民の人権やプライバシーを侵さないように気を配っている」は74%(同70%)だった。いずれも昨年を上回る評価を得た。 「ニュースの背景や問題点を掘り下げて解説する」という点で、大きな役割を果たしていると思うメディアを複数回答で聞くと、「一般の新聞」を挙げた人は61%(同76%)で最も多かった。「社会の懸案や課題に対する解決策を提案する」
神奈川県警港北署は13日、慶応大学1年の男子学生9人と女子学生1人の計10人(18〜19歳)を公然わいせつ容疑で横浜地検に書類送検した。 発表によると、男子学生9人は9月20日午前4時15分頃、横浜市港北区日吉の東急東横線日吉駅構内を全裸で走り回り、女子学生はその様子をビデオカメラで撮影した疑い。駅の防犯カメラに様子が映っていた。 10人は、学内のサークル「広告学研究会」のメンバー。「夏の思い出づくりをしよう」と話し合い、紙パンツ姿で駅周辺を走っていたが、徐々にエスカレートして全裸になったという。 同研究会は、文化祭でミス慶応コンテストも主催する有名サークル。慶大広報室は「各方面にご迷惑をおかけし、申し訳ない。今後学生への指導を徹底する」とコメントした。
早ければ来年の通常国会に、夫婦同姓を定めている民法の改正案を提出する方向で調整を進める。現行の夫婦同姓は1947年に民法に明記され、約60年ぶりの大幅改正となる。 夫婦別姓の導入は、政権交代により、衆院選の政策集に「選択的夫婦別姓の早期実現」を明記した民主党を中心とした政権が誕生したことによるものだ。民主党は、1998年に民法改正案を共産、社民両党などと共同で国会に提出したが、自民党が「家族の一体感を損ない、家族崩壊につながる恐れがある」などと強く反対して廃案となった。その後も、毎年のように共同提出してきたが廃案となってきた。 一方、法務省も、96年の法制審議会(法相の諮問機関)で選択的夫婦別姓の導入が答申されたことを受け、夫婦別姓を盛り込んだ民法改正案をまとめた経緯がある。強い反発を示してきた自民党が野党に転じ、与党と法務省の考えが一致し、政府提案による法改正が可能となった格好だ。 民主
民主党が「官僚主導政治の象徴」として廃止する方針を決めているためだ。内閣制度が発足した翌年の1886年から開かれてきたとされ、123年の歴史に幕を閉じる。 同会議は法令に設置の根拠はないが、毎週月、木曜の2回、首相官邸で開かれ、翌日の閣議にかかる案件を事前に調整してきた。事務の官房副長官が進行役を務め、閣議に上げる案件について、原則として全会一致で決定してきた。 しかし、こうした事前調整が「閣議を形骸化させている」との批判を招き、民主党は同会議を廃止し、少人数の閣僚による「閣僚委員会」で重要政策を調整する方針を打ち出している。 各省の次官らが会議後に行っていた記者会見も廃止される見通しだ。 民主党の岡田幹事長は11日の記者会見で、「事務次官会議がなくなることに伴い、(次官の記者会見も)必要ないのではないか。大臣がきちんと会見すれば、本来十分なはずだ」と述べた。
台風9号による豪雨の被害を受けた兵庫県佐用町で、川の中州に取り残され、衰弱した状態で見つかった犬が、佐用署の駐在所に引き取られ、元気を取り戻した。 署員やその家族らは、愛嬌(あいきょう)を振りまく姿に目を細めながら、「早く水害前の暮らしに戻してやりたい」と、手作りのチラシで飼い主を捜している。 「中州に犬がいる」。同町米田の千種川で、住民が犬を見つけたのは、豪雨から12日後の8月21日。水害前にはなかった中州に、白地に薄茶色のまだら模様の雄犬がおり、佐用署員が救出した時は、やせ細り、足もふらついていた。 首輪を付けていることから飼い主とはぐれた犬とみられ、いったんは署内で保護。だが、落ち着かない様子を見た平福駐在所の小寺秀幸巡査長(35)が「かわいそう」と思い、妻に相談し、駐在所に連れ帰った。 その後、次第に回復。耳が内側に折れ曲がった独特の風貌(ふうぼう)と、なでても嫌がらない人なつっこ
学校給食のパンについて、食べ残し分の持ち帰りを認めず捨てている福岡市教委が、1学期にパンを小さくしたところ、廃棄量は昨年に比べて1日当たり約1・2トン減り、半分以下になった。 食べ物の無駄をなくすための珍しい試みといい、1学期全体では44・8トンの減少。学校給食の食べ残しの扱いは各地で課題になっており、ほかの自治体からは「導入を検討したい」という声も出ている。 市教委によると、市立146小学校と69中学校の給食では、文部科学省の基準に沿い、パンの小麦粉を小学1・2年50グラム、3・4年60グラム、5・6年70グラム、中学生80グラムと設定。しかし、1学期は気温が高くて食欲が減退しがちで、入学間もない小学1年や、パンが大きくなる小学3、5年、中学1年を中心に食べきれない子どもが続出。廃棄されるパンは3学期の約2倍に上っていた。 市教委は市内の児童生徒に必要なカロリー摂取量を試算。細身で通学距
選挙に関心はあるが、積極的に政権公約(マニフェスト)を読むまでの熱意は薄い——。30日投開票の衆院選に向け、室蘭工大の永松俊雄教授(公共政策論)らが、20歳以上の学生230人を対象に行った調査で、学生たちのこんな意識が浮かびあがった。 選挙に関心がある学生は76・9%に上る一方で、マニフェストを読むつもりがないとした回答は55・8%。各党のマニフェストをめぐる攻防が過熱しているが、若年層への浸透度はまだ十分とはいえないようだ。 調査は7月28、29日の両日、同大の永松教授と、行財政を研究する学生サークル「PAネットワーク」が共同で、同大の学生らを対象に行った。未成年も含め341人が回答。選挙権を持つ20歳以上の230人を抽出して分析した。 マニフェストを読まない理由は、「読んでも分からない」が25・8%で最多だった。マニフェストは各政党がホームページで公開しているが、「どこで入手できるか分
昨年度の全国学力テストの結果を、文部科学省の委託を受けたお茶の水女子大の耳塚寛明教授らが分析した結果、そんな傾向が出ていることが4日、明らかになった。全国学力テストの結果と親の所得の関連を追った調査は初めて。絵本の読み聞かせなども成績向上に効果があり、耳塚教授は「経済格差が招く学力格差を緩和するカギになる」と話している。 調査は、全国学力テストに参加した小6のうち、5政令市から100校、計約8000人を抽出し、親と教師を対象に学習環境など調べた。 世帯収入と平均正答率(国語と算数)の関係を見ると、高所得ほど点数も高い傾向がみられ、最も平均正答率が高かったのは、1200万円〜1500万円未満の世帯。200万円未満の世帯と比べると平均正答率に20ポイントの開きがあった。 親が心がけていることについて調べたところ、高学力層の子供の親は、「小さい時から絵本の読み聞かせをした」「博物館や美術館に連れ
民主党は23日、衆院選の政権公約(マニフェスト)に、通信や放送に関する規制などを所管する独立行政委員会「通信・放送委員会」の新設を盛り込む方針を固めた。 総務省から通信・放送行政を分離・移管する。政府からの高い独立性を持つ米連邦通信委員会(FCC)を参考にし、「日本版FCC」と位置づける。 現在の通信・放送行政は、総務省が設置した審議会や懇談会の答申をもとに、最終的に総務省が意思決定している。民主党は、国家権力を監視する役割を持つ放送局を国家権力が監督するという矛盾があると主張している。独立行政委員会に権限を移管することで、国家権力が放送に介入できない体制を整える考えだ。 通信業界などからは、競争を促すような規制のあり方を望む声の一方で、新組織が実際に放送と通信の両方を監督できるか懐疑的な見方もある。 電気通信分野では、携帯電話会社などが支払う電波利用料については、現在の基地局数などではな
総務省が10日発表した2009年版「情報通信白書」によると、08年末時点で国民の4人に3人にまでインターネットが普及した一方で、景気悪化の影響などから低所得者のネット利用率が4年ぶりに減少に転じた。 70歳以上の高齢者の利用率も低下し、総務省は「経済危機の中で情報格差が拡大し、高齢者や低所得者が取り残される」と懸念を示している。 08年末時点の世帯年収別のネット利用率は2000万円以上の86・9%(前年比9・4ポイント増)を最高に、600万円以上800万円未満が79・1%(同1・7ポイント増)、200万円以上400万円未満が66%(同2・5ポイント増)と上昇。一方、200万円未満は50・5%(同5・5ポイント減)と落ち込み、景気悪化で低所得者層ほど通信費の節約を強いられたとみられる。 年齢別では20〜29歳が96・3%(同1・5ポイント増)と最高で、6〜12歳が68・9%(同0・2ポイント
小説 より力強く立体的に 『風の歌を聴け』で村上春樹氏が群像新人文学賞を受賞したのは1979年6月。30年間のうちに、作家と時代はどう変化したか。(尾崎真理子) 米小説と「距離」 ――1000ページもの長編は強靱な文体がなければ成立しない。チャンドラーの文章を「緻密な仮説ディテイルの注意深い集積」と村上さんは評されたが、『1Q84』の文章もまさにそうだ。 村上(以下M) 7年前の『海辺のカフカ』以降、古典の新訳を次々とこなした。チャンドラーの『ロング・グッドバイ』、サリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、それから『ティファニーで朝食を』『グレート・ギャツビー』……どれも素晴らしい英語の文章。それをどのように日本語に移していくか、翻訳家として責務を負える力がついたと判断してとりかかり、何とか乗り越えた。その代わり、同時代のアメリカ小説から遠ざかることになった。よそから新しい何かを学ぶ
村上春樹氏(60)が作家生活30年を経て発表した長編『1Q84』(新潮社)は、現実から少しだけねじれた世界で進む物語だ。どのように発想され、どんなテーマが込められたのだろう。(尾崎真理子) 村上(以下M) G・オーウェルの未来小説『1984』を土台に、近い過去を小説にしたいと以前から思っていた。もう一つ、オウム真理教事件がある。僕は地下鉄サリン事件の被害者60人以上から話を聞いて『アンダーグラウンド』にまとめ、続いてオウムの信者8人に聞いた話を『約束された場所で』に書いた。その後もできる限り東京地裁、東京高裁へ裁判の傍聴に通った。 事件への憤りは消えないが、地下鉄サリン事件で一番多い8人を殺し逃亡した、林泰男死刑囚のことをもっと多く知りたいと思った。彼はふとした成り行きでオウムに入って、洗脳を受け殺人を犯した。日本の量刑、遺族の怒りや悲しみを考えれば死刑は妥当なのだろうと思うが、基本的に僕
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