昨年元気だった邦画の中でも、頭ひとつ抜けた高い評価と、素晴らしい興行収入(約35億円)を記録した映画「三丁目の夕日」。原作は「ビッグコミックオリジナル」(小学館)に30年以上連載されている長寿マンガなりが、公開前にはあの独特の「ほんわかさ」を映像で表現しきれるのか、キャラクターの設定変更(マンガは星野六郎、映画は星野六子など)の違和感はないのか、といったいくつかの不安は抱えていたものの、フタを開けてみれば懸念をアッサリ吹き飛ばすような見事な出来映え。近年の日本映画を代表する作品のひとつとして、多くの観客を魅了したなりよね。 興行収入だけでなく、作品の評価が極めて高いのは受賞した映画賞の数々を見れば一目瞭然。例えば第29回日本アカデミー賞では、全13部門での受賞を果たし、うち12部門では最優秀を獲得しているなりよ。ほかにも第30回報知映画賞(3部門)、第18回日刊スポーツ映画大賞(4部門)、