【イスラマバード=五十嵐誠】パキスタン北部のホテルマンが、宿泊客の日本人が部屋に忘れた約5万ドル(約435万円)を正直に届けたことが国内で称賛の的となり、卓越した活動をした人に贈られる同国の褒章を受けることになった。 中国国境近く、カラコルム山脈を一望できる町にあるギルギット・セレナ・ホテルの客室係イッサ・カーンさん(50)は今年5月、客室を清掃中、貴重品箱の鍵がかかったままになっているのに気づいた。マスターキーで開けると分厚い封筒が残されており、マネジャーに届けた。封筒には大金が入っていた。 この客室に宿泊していた日本人男性はすでにチェックアウトしていたが、マネジャーが連絡を取り、3日後に返還した。男性は、日本の国際協力機構(JICA)が同国北部で行う開発計画の調査を請け負っており、現金が見つかったことにホッとした様子だったという。 ホテルはカーンさんに1万ルピー(約1万円)の賞与