大阪地検特捜部で郵便不正事件を摘発した検事はだれか? この質問に答えるのは今ではそれほど難しくないはずだ。 主任検事は前田恒彦であり、彼を指揮する立場にあった特捜部長は大坪弘道、同副部長は佐賀元明だ。大阪地検のトップである検事正や次席検事ポストにあった検事を認識できる人もいるだろう。 前田、大坪、佐賀の3人とも、連日のように新聞に顔写真付きで登場したからだ。郵政不正事件に絡んだデータ改ざん・隠ぺい事件で逮捕・起訴され、「捜査する側」から「捜査される側」へ転じたためだ。 郵便不正事件の摘発に取り組んでいた当時、3人は「捜査する側」として新聞に取り上げられただろうか。厚労省の雇用均等・児童家庭局長だった村木厚子を逮捕した時はどうだったか。 紙面上では、郵便不正事件に絡んで組織としての大阪地検は数え切れないほど紙面をにぎわしているにもかかわらず、同事件を率いていた3人が登場することはほとんどなか
