──映像制作の現場でも自由視点映像技術を積極的に取り入れているそうですね? 廣田:バーチャルリアリティ(VR)と呼ばれる仮想現実技術の中で、自由視点映像技術は数年前よりスポーツ放送の用途で採用されるなど、映像コンテンツを制作する現場でも認知が進みつつあります。特に360度をぐるりと見回すことのできる全天球映像技術は各社が提供するオンラインサービスでもサポートが進んでおり、体験されている方も多いと思われます。 この流れを受けて、撮像・制作・伝送・表示といった映像制作の一連のワークフローにおいても全天球映像技術をサポートする動きが活発になってきています。動画圧縮技術の標準化団体である MPEG では、MPEG-I Part-3として、360度映像のシステム規格であるOMAF (Omnidirectional MediA Format) の標準化が完了するなど、ビジネスでの実用化に向けた活動が進