ネアンデルタール人 奇跡の再発見 [著]小野昭/化石の分子生物学 [著]更科功 人権、人命、平等の尊重。我々人類にとってあまりにも普遍的な規範は、実は意外なことに2万数千年ほど前に起きたある偶然の上に成り立っている。ネアンデルタール人の消滅。化石が発見された当時、学者たちは、ヒトの祖先のものだとみなした。 しかしここ十数年のあいだに事態は大きく展開した。全く不可能だと思われていた化石中の残存DNAを解析する方法が編み出されたのだ。 ドイツではネアンデルタール人再検討の機運が高まった。博物館秘蔵の国家的至宝クラスの化石をくり貫(ぬ)いて、DNAを取り出したいと考えた。成功する確率は極めて低い。言ってみれば、日本なら金印の一部を削って元素分析にかけたり、箸墓古墳の発掘を行ったりするような大英断である。情熱が道を開いた。 結果は驚くべきものだった。ネアンデルタール人はヒトの祖先ではない。両者は、
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