消費者層全体を、商品購入の態度によって、イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードの5つに類型化した、ロジャースのイノベーター理論。この理論について、3回に分けて考える。まずは、その理論の概略を見ていく。 黒須教授 2014年1月14日 ロジャース(Rogers, E.M.)のイノベーション普及理論(Diffusion of Innovation Theory)は、むしろイノベーター理論として知られているが、当初、同名の書籍(Diffusion of Innovations)は1962年に刊行され、その後何回もの改訂を経ている。この理論の影響は大きく、1976年の論文でロジャースは既に1800もの関連した論文が出ていると書いているほどである。 この理論の元をたどると、文化人類学の伝搬主義(diffusionism)に遡り、さらにS字型の累積曲線の考
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