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団地、それは世界の縮図というファンタジーである。 小泉今日子と小林聡美が団地に住む幼馴染を演じている『団地のふたり』(NHK BS)が日曜の夜の癒やしになっている。ふたりを見ていると団地生活への憧憬が湧き上がっていく。こんなふうに日々を過ごせたらいいのに。 昨今はやりの「団地再生現象」そのもの 原作は藤野千夜による小説で、独身の50代、ノエチこと野枝(小泉今日子)となっちゃんこと奈津子(小林聡美)の日常がつづられる。ふたりは団地育ちで、社会人になったときいったん団地を出たものの、紆余曲折あって再び団地に戻って来た。 ノエチは両親と暮らしている。なっちゃんは父が亡くなり、母は親戚の介護のために不在で、ひとり暮らし。なっちゃんは料理が得意で、ノエチはしょっちゅうなっちゃんの部屋に食事をしに訪れる。 イラストレーターであるなっちゃんの部屋はセンスよく整えられており、ダイニングテーブルといすやステ
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「タクシーの数が日本一多い場所は仙台だ」 そんな格言が、かつてタクシー界には浸透していた。この現象をひもといていくと、タクシー業界にとっていまだかつてない“悪法”と評された規制緩和の影響が大きい。 小泉純一郎政権時代の2002年に実施された規制緩和で、タクシー業界は混乱に巻き込まれた。事業者や台数は急激に増加し、それに伴いドライバー1人ひとりの売り上げは急降下した。「タクシー破壊法」とも言われた同法だが、中でもとくに強い“被害”を受けたとされる地域が仙台だ。 人口当たりの台数は東京都内を超えるともいわれる水準となり、現場は疲弊していく。 筆者が仙台駅を訪れた10月末は、鉄道開業150周年企画の新幹線、特急列車3日間乗り放題期間の影響もあってか、観光客でごった返していた。タクシー乗り場には30台以上のタクシーが並ぶが、大型のスーツケースを引く人々の多くは、タクシーを横目に通り過ぎていく。西口
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今年9月、神奈川県横浜市に女性客をターゲットにした業態店「#ワークマン女子」を初出店し、多くの話題を振りまいているワークマン。コロナ禍でも売り上げは順調に伸び続け、依然として好調さを維持している。この躍進の主な原動力は、ワークウェアをベースにした一般ユーザー向けウェアの開発や、一般ユーザーも入りやすい業態店「ワークマンプラス」の開発とされているが、もう1つ、陰の功労者がいる。フランチャイズだ。 2020年9月末現在、ワークマンの店舗数は885店(前年同期比37店舗増)で、うち839店がフランチャイズ店(フランチャイズ比率94.8%)。ワークマンは自社のフランチャイズシステムを自ら「ホワイト・フランチャイズ」と称している。 その大きな理由は、営業時間が朝7時から夜20時まで、正月三が日を含め年間店休日22日と過酷な労働環境ではないことと、それでありながら1店舗平均売り上げが1億3800万円、
日本の外食産業では珍しい敵対的買収が成立しました。9月9日に外食大手のコロワイドが定食チェーン「大戸屋ホールディングス」の46.77%の株式を獲得してTOB(株式公開買い付け)が成立し、子会社化が実現する見込みになったのです。 コロワイドはもともと大戸屋ホールディングスの株式19%余りを持つ筆頭株主でしたが、子会社化を目指して株式を買い増し。大戸屋側は子会社化に反対していました。 株式の過半を押さえなくても大戸屋ホールディングスを連結子会社にできるのは、コロワイドが役員の派遣などによって実質的な支配が可能となるIFRS(国際会計基準)を採用しているからです。 コロワイドはもともと居酒屋の甘太郎から始まった外食チェーンですが、2000年代に入り不振の外食企業をM&Aする手法で急速に成長しました。現在では焼肉の牛角、回転寿司のかっぱ寿司、ステーキのステーキ宮、しゃぶしゃぶの温野菜、ファストフー
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この6月、カメラ業界を揺るがすビッグニュースが相次いだ。 オリンパスは6月24日、デジタルカメラを中心とする映像事業を分社化して、投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)に売却すると発表した。9月末までに最終契約を結び、年内に売却を完了する予定だ。 売却額は未定で、「オリンパス」ブランドは当面維持するという。1936年以来、創業期のオリンパスを支えたカメラ事業から撤退する。 カメラ撤退のタイミングを模索 オリンパスはフルサイズより小さい画像センサーを使った小型・軽量で扱いやすいカメラを得意としている。中でも「PEN」(ペン)シリーズは、テレビCMに女優の宮﨑あおいさんを起用して女性ファンも増やすなど高い人気を誇ってきた。その技術は医療用の内視鏡や顕微鏡などの研究開発にも生かされている。 しかし、デジカメ市場はスマートフォンの普及に伴って急激に縮小。デジカメが主力の映像事業は近年、201
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日本語の敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類がある。しかし最近、4種類目の新しい敬語が世間にはびこっていることをご存じだろうか。たとえば、こんな文章だ。 「ご相談させていただけないでしょうか」 「お打ち合わせのおまとめをお送りいたします」 「ご確認いただければ幸いと存じますがいかがでしょうか」 ……などなど。日々、遠回しで意味不明な内容のメールに、イライラしている方も多いと思う。 円滑なやりとり阻害する「卑屈語」の罠 こうした言葉を、僕は「卑屈語」と呼んでいる。「卑屈語」が使われる意図は、「丁寧」でも「謙譲」でもなく、ましてや「尊敬」では決してない。「保身」だ。嫌われたくない。責任を取りたくない。こうした「保身」が日本語を歪め、卑屈にしているのだ。 「卑屈語」が使われるのは、ビジネス・シーンに限らない。テレビをつければ芸能人が、「私事でありますが結婚させていただいたことをご報告さ
コーヒー業界に「シアトル系カフェ」(シアトル系コーヒー)という言葉がある。その代表が「スターバックスコーヒー」で、今回紹介する「タリーズコーヒー」もそうだ。 一般には、従来型の喫茶店に多いドリップコーヒー(コーヒー豆を焙煎・ひいた後で抽出)ではなく、エスプレッソをベースにする。ミルクを加えたメニューでもドリップ+ミルクが「カフェオレ」、エスプレッソ+ミルクが「カフェラテ」と呼ぶことが多い。 アメリカのシアトルで、スターバックスは1971年、タリーズは1992年に創業された。日本に上陸し、1号店を開業したのは1996年(スタバ)と1997年(タリーズ)と1年違い。1999年に日本に進出した「シアトルズベストコーヒー」(アメリカの1号店は1971年)とともに、当時は“シアトル系御三家”とも呼ばれた。たが、その後、シアトルズベストは伸び悩んだ。 店舗数は700店超だが、スタバの半分以下 現在、国
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真っ暗なトンネルに迷い込み、懐中電灯をいくら照らしても一向に明るくならない。もう逃げ出したい――。プログラミング学習を始めてから1カ月後、記者である私が置かれた状況はまさにそんな感じだった。 『週刊東洋経済』は1月14日発売号で「今年こそ始めるプログラミング」を特集。今やあらゆる業種で求められている「プログラミング」の基礎知識を徹底解説している。記者はその発売に先んじて、2019年11月からプログラミングを学習中だ。 通っているのはデジタルハリウッドが運営する「ジーズアカデミー」というスクール。平日と週末のコースがあり、私が通うのは週末コースだが、毎週15時間以上かかると言われる課題を出され、未提出が続くと「退学になる」との噂が飛び交うハードなスクールである。その経緯の詳細は『週刊東洋経済』に書いたが、本稿では同記事では触れられなかった、初心者が最初に挫折しやすい壁と、その構造的な背景、壁
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