シャープや日清食品といった関西の大手企業をはじめ350を超える会社や団体のテレビ、ラジオCMなどのテープ類約9000本が、大阪市内の倉庫で見つかった。 CMテープは放送後に廃棄している例が多く、調査した大阪市立大の土屋礼子教授は「メディア文化の発展を研究する上で貴重だ」としている。 大阪に本社のあった広告会社「萬年社」が制作にかかわった資料で、約4000本がテレビCMなど画像テープ、約3700本がラジオCMを含む音源テープ。1970年から90年代のものが中心だ。 先行調査したラジオCMには、「育って育って食べ盛り」と歌手の大滝詠一さんがCMソングを歌う日清食品の即席めん「出前一丁」、歌手のピンクレディーが声の出演をする「日清焼そばU.F.O.」など懐かしいものが目立つ。 99年に萬年社が自己破産した際、散逸を防ぐため経済人らが買い取り、資料類を大阪市に寄贈していた。