日本の経営論壇をこれからリードしていく経営学者のホープたち。彼らに、日本企業が直面する経営の課題について論じてもらう。 今回は、世界を席巻したかつての勢いを失い、閉塞感の漂う日本のモノ作りの行方について、3人の若手経営学者に持論を聞く。 トップバッターは、明治大学商学部の富野貴弘教授。日本のモノ作りに欠けているのは「企画力」だと説き、高品質以外の優位性を追求すべきだと語る。 (構成は秋山 基=ライター) シャープ、パナソニック、ソニーという電機メーカー3社の経営悪化に伴って、日本のモノ作りの優位性が失われたと懸念する声が出ています。日本の製造業の現状について、どのように見ておられますか。 富野:「日本のモノ作りはもうダメなのではないか」と全体的な悲観論が語られがちですが、冷静な分析が必要だと思います。 藤本隆宏先生(東京大学大学院教授・同大学ものづくり経営研究センター長)のアーキテクチャ論
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