【北京=峯村健司】宮本雄二・駐中国大使が、国家機密漏洩(ろうえい)罪で懲役18年の実刑判決を受けた元新華社通信外事局長の虞家復被告(62)に対し、情報提供の見返りに計20万7千元(約300万円)を渡したと判決で認定されたことがわかった。宮本大使は大使館を通じ、「外交活動の個別のやりとりについてはコメントできないが、現地の法令を尊重しており、何ら問題はないと考える」とコメントしている。 判決は北京市第2中級人民法院(地裁)が今月5日に出した。起訴状は宮本大使の実名を記載したが、判決文は「大使館員」となった。中国では国家機密にかかわる裁判は非公開だが、関係者への取材で明らかになった。 新華社は中国政府直属機関で、報道のほか、指導部向け内部情報を扱う。中国当局は情報漏洩の取り締まりを強めているが、外交官の情報活動がこうして明るみに出るのは珍しく、中でも一国の大使自身がかかわる形でスパイ罪が認