基礎生物学研究所などの研究グループは2月5日、昆虫「ナナフシモドキ」(単にナナフシとも呼ぶ)において、まれに生まれるオスはメスと交尾しても遺伝子を残せないとの研究成果を発表した。ナナフシモドキの個体はほとんどがメスであり、メスだけで繁殖する。一方、まれにうまれるオスは外部生殖器を持っているにもかかわらず、生殖機能を失っていることが判明したという。 ナナフシモドキは日本で最も一般的なナナフシの仲間。植物の枝によく似た外見を持ち、メスがメスを生んで子孫を残す「単為生殖」を行うことで知られる。オスの出現は非常にまれで、これまで今回の研究を含めて数十例しかなかったことから、ナナフシモドキのオスがどのような意義を持つのか、オスとしての機能をどの程度維持しているのか判明していなかったという。