2月11日のオーストラリア戦は、6万5千人を超える観衆で埋め尽くされた。スタジアム全体が、勝利を欲する思いで覆われた。ドイツW杯以降では、もっともホームらしい雰囲気のなかで行われた一戦と言うことができる。 しかし、オーストラリアが精神的な重圧を感じたかを問えば、答えは「NO」だろう。オーストラリアがボールを持つたびに、スタンドから激しいブーイングが飛んだりすることはなかった。日本に不利なジャッジをした主審が、ブーイングを浴びることもなかった。 そういった雰囲気が、日本で生まれにくいのは事実である。今回が特別ではないし、相手にブーイングを浴びせればいいかということについては、議論が必要なところもある。 いずれにせよ、スタジアムの雰囲気が誘発するようなミスを、オーストラリアに見つけることはできなかった。シリアからやってきた審判団のジャッジは、ホームタウン・デシジョンを感じさせるものでもなかった