子供の頃から、RPGをプレイするのが好きだった。 RPGの主人公の多くは、何らかの使命や目的を持っている。魔王を倒す宿命を持つ勇者だったり、気弱ながら人一倍の勇気と優しさを持つ少年だったり、秘密組織で活躍するイケメンの若手エースだったり。 彼らは決して近所の裏山で段ボール滑りなんてしないし、そのまま勢いよく木に激突して半泣きで家に帰るようなこともない。毎日のようにチャリンコを乗りまわして、調子に乗って手放し運転をした結果コケて小指の骨を折るようなこともしない。……さてはこいつ、アホだな!? そんなアホなガキンチョだった自分とはまったく似つかない、RPGの主人公たち。それでも、手元のコントローラーで操作したとおりに動くゲームの中の彼らを見ていると、本当にそれが「ぼく」自身なんじゃないかと思えてくることがあった。……というのは、さすがに言い過ぎかしら。 実際、遊んでいるゲームの主人公に感情移入