[質問] 僕のいる萩谷研というところは、後輩が「『イデア』のようなものを、機械に組み込む」と言ったり、別の後輩が初対面で「数学的実在を信じますか?」と質問してきたり、たいへんおもしろいところです。このエッセーも彼らに書かせたほうが楽しいかもしれません。学部では情報科学科というところで、大学院ではコンピュータ科学専攻というところです。 [期待] 大学の学科を選ぶときに考えたことは、法律をやっても人間のことしか相手にできないし、生物をやっても地球の表面のことしかわからないし、化学や物理をやってもこの宇宙のことしかわからない、ということでした。では数学はというと、あるのかないのかよくわからないものの話をしていて、数学者にしか話が通じなくなると思いました。ここで情報科学という抜け道があって、記号列さえあれば、この宇宙に限らずどこでも成り立つことを研究できますし、あるのかないのか疑われたら計算機の中
