作業自体が無駄だった民主党の事業仕分け 仕分け人がテレビカメラを前にして官僚をこき下ろす――そんな場面が印象的だった民主党の事業仕分け。予算の無駄遣いにメスを入れ、予算編成のプロセスが“見える化”されたなどと評価する向きもあるが、まったくの不見識である。そもそも事業仕分け自体が無駄な作業であり、問題の本質を解決できるはずがなかったからだ。 事業仕分けがなぜダメなのか、企業経営の視点から考えてみたい。 たとえば、日本航空(JAL)のような会社はいくら少数精鋭にしたり、コストダウンしても将来性が期待できるような元気な会社にはならない。LCC(ローコストキャリア)と呼ばれる格安航空会社は、JALの半分の値段で飛行機を飛ばして利益を出している。どうしてこっちは赤字で、向こうは黒字なのか。 ありていに言えば、会社組織というのは年とともに垢やコレステロールが溜まっていくのである。たとえば小売業の場合、