平安時代の貴族邸宅の庭池跡で見つかった人面墨書土器。鬼門除け遺物の最古例の可能性もある(京都市中京区) 平安時代中期ごろ、貴族邸宅の寝殿造(しんでんづくり)があった京都市中京区の発掘調査で、「鬼門除(よ)け」のためとみられる人面墨書土器が見つかった。 鬼門は、陰陽(おんみょう)道で鬼が出入りするとされる北東の方角で、古来、家を造る時などはこの方角に魔除(まよ)けを配してきた。今回見つかったのは、人の顔を描いた平皿で、作庭の禁忌を避ける祭祀(さいし)遺物の可能性がある。専門家は「現代の京都のまちに伝わる鬼門除けの最も古い考古的実例ではないか」と指摘している。 調査した民間会社によると、太政大臣・藤原実頼(さねより)が「小野宮」を再開発した際、敷地北東側に当たる庭池の景石そばに埋めたとみられる。