今年上半期のビール類で唯一シェアを落とし、“独り負け”を喫したキリンビール。挽回を図るため満を持して5月に発売したのが、地域ごとに味が違う「47都道府県の一番搾り」だ。だが、この商品名に業界内からクレームが入り、キリンは来年から商品名を変えることになったというのだ。販売不振のキリンにとっては“泣きっ面に蜂”。その真相とは? 「地域の誇りを共有する新しいビール文化になると考えている」。キリンビールの布施孝之社長は11月に都内で開いた会見で、「47都道府県の一番搾り」の狙いをこう強調した。 「47都道府県の一番搾り」は、主力「一番搾り」ブランドのビールで、全国47都道府県ごとに味わいが異なるというのが売りだ。地域の食や文化などに精通する顧客らの意見を聞くなどし、地域の嗜好(しこう)に合った味にしたという。地元産の原材料を使うなど、地域ごとに特色を出した。ビール業界で、47都道府県ごとに地域