2024年4月6日からスタートしたNHKアニメ『烏は主を選ばない』は、9月21日の放送をもって全20話の今シーズンを終了します。そして、実はこのアニメの冒頭とラストに大きく関わってくる、若宮と雪哉の本当の出会いが、阿部智里さんの原作「八咫烏シリーズ」外伝の「ふゆきにおもう」(『烏百花 蛍の章』所収)に描かれています。 アニメへのご声援に感謝し、「ふゆきにおもう」を期間限定(~2024年10月8日まで)で特別公開! 本編に登場する多彩な八咫烏たちひとりひとりを照射した、魅力的な短編がずらりと並ぶ「八咫烏外伝」を、この機会にご愛読いただければ幸いです。 垂氷郷郷長(たるひごうごうちょう)の次男坊と三男坊が行方不明となったのは、まだ朝晩の風の冷たい、春先のことであった。 郷長屋敷では、そこで働く郷吏(ごうり)とその家族達が、一堂に会して食事をするようになっている。郷長の妻である梓(あずさ)は厨(
