年明けから原油価格がじわりと上昇している。この値動きは、2017年夏ごろ、1バレル47ドル(WTI=ウェスト・テキサス・インターミディエイト価格)程度だったころから続いているもので、現在の65ドルという水準は2014年末の価格急落以来の高値となる。 原油価格が上昇してくると、いつも想起されるのが「米国シェールオイル(*)の増産」である。果たして、現在進みつつある原油価格上昇でシェールオイルの増産は進むのか。それはいつまで続き、原油価格や世界経済にどの様な影響を及ぼすのか。
このところ、米国の宇宙ベンチャーの動きがものすごく活発だ。11月23日、ネット流通大手のアマゾンのジェフ・ べゾスCEOが設立した宇宙ベンチャーのブルー・オリジンは、テキサス州の私有地で、同社の開発した有人弾道ロケット「ニュー・シェパード」の2度目の無人打ち上げを実施し、ロケット部分の垂直着陸を成功させた。イーロン・マスク率いるスペースXも負けじと12月22日、「ファルコン9R」ロケットの打ち上げで、使い終えた第1段を打ち上げ地のケープカナヴェラルに戻して垂直着陸させることに成功した。 ニュー・シェパードの有人カプセルは、慣例的に「ここから宇宙」とされる高度100kmを越えて100.5kmに到達し、その後パラシュートを開いて無事に着地。さらに、ブルー・シェパードのロケット部分は切り離し後に、姿勢を制御しつつ降下し、最後に着陸脚を展開してロケットエンジンを再起動して逆噴射を行い、着陸に成功し
ワタミが2期連続で最終赤字に陥っている現状をどのように見ているのでしょうか。 渡邉:非常に悪い。創業者として、後進にバトンタッチをした人間として、大変反省しています。まずこれは言っておきますが、今回の業績悪化は、100%私の責任であると捉えています。 私は、自分が育てたワタミという宝物を次の人たちに託したわけですよ。ボールを渡したようなものです。であれば、相手がボールをしっかり受け取ったことを確認し、その後も落とさないかと心配する。本当に大切なものなら、なおさらですよね。 そのボールを彼らが落としてしまった。これは誰の責任か。落とした人の責任という見方もあるけれど、そもそも落とすようなボールの渡し方をした私が悪い。 右手と左手が自分勝手に動き、補完できなかった 責任は、渡した側と渡された側の双方にあるように思えますが。 渡邉:役員の任命を含めて、私の間違いでしたね。 私がトップだったとき、
「クソ馬鹿ハゲ野郎」「こいつを自殺させるのが、当面の希望」──。新潟日報上越支社の報道部長がツイッターの匿名アカウントを使って様々な人にこうした雑言を浴びせ、経営管理本部付に左遷されるという事件が起きた。 っと、このコラムを半分ほど書いて、「もしや……」と思い日経ビジネスオンラインにアクセスすると……。ああ、やっぱり……。小田嶋サンが取り上げていた。あああ、ど、どうしよう。ええ!! し、しかも金曜動画ショーでも取り上げているぞ!! だが、ん? ホッっ。あ~。違った。うん、私が書こうと思っていたテーマとは、どちらも全く違う。下手にインプットされると、自分の言葉で書けなくなるので、どちらのコラムもざっと流し読みしただけだが、うん、大ジョブ! 同じなの、入り口だけだ! っというわけで、このまま書き進めます。まぁ、要するに、ネタがかぶるほど、この事件がしょうーもない事件だったということだ。 いずれ
アリさんマークで知られる引越社幹部の、「何をぬかしとるんや、コラァ!」動画が物議をかもしている。 動画を投稿したのは、プレカリアートユニオン。「契約社員、派遣、パート、アルバイトなどの非正規雇用でも、職場で仲間を増やし、労働条件の向上に取り組むことを目指して結成した、誰でも一人から加入できるユニオン(労働組合)」である(同組合のウェブサイトより)。 事の発端は、アリさんマークの引越社の男性社員(34歳)が訴訟を起こしたこと。この男性はプレカリアートユニオンに加入しており、東京都内の引越社関東のオフィス前で組合が抗議活動をしていた時に、“事件”が起きた。 同社の副社長らが出てきて、「仕事の邪魔になる」と拡声器の使用中止を要求。そこでどうやらすったもんだがあったらしく(詳しいことは、動画だけではよく分かりません)、次のシーンがYouTubeにアップされた。 副社長:「お前、何(足)踏んでんねん
現在の日本には、65歳以上の人が約3200万人いるらしい。そのうち就業者は700万人だという。700万人もの高齢者が就業者だというデータを見て、がんばっておられる高齢者が多いと思ったのと同時に、2500万人もの高齢者が働かないで生活しているということに驚いた。その中には、「元気だから」「もっとお金がほしいから」「人や社会の役に立ちたいから」といった理由で働きたいと思っている高齢者もたくさんいるに違いない。 退職は自らの能動的な選択であるべき 先日、アメリカ人の友人と話をしていたときに、「65才に達したら定年退職しなくてはいけないことについてどう思うか」と聞いてみた。友人は、「別に構わないのでは。自分はもっと早くリタイアしたい」という回答だった。 そこで次に、「自分の意思でリタイアするのとは違う。65才になっても働き続けたいのに、会社から年齢ゆえに一律に解雇される。それをアメリカ政府が認めた
突然といっていいだろう。9月11日、内閣官房・内閣情報調査室(内調)は、情報収集衛星(IGS)で撮影した、鬼怒川の水害の情況の画像を公開した。公表された画像は2枚。デジタル処理で解像度を落としてあるが、IGSで取得した画像が公開されたのは、これが初めてである。 画像公開の背景には、内調が、現在衛星4機体制のIGSを8機体制に倍増させ、さらに衛星間通信を行うデータ中継衛星を新たに保有する意志を示していることがある。 ところが、同じ11日、グーグルは、災害関連情報を集約して表示するサイト「Googleクライシスレスポンス」で、水害地域の詳細衛星画像を公開した。米民間地球観測会社の衛星が取得した画像は、デジタル処理で劣化させたIGS画像より鮮明。かつグーグルマップの上に重ねて表示され、拡大縮小も自由自在。利用者の利便性は衛星情報センターの2枚の画像を圧倒的に上回っていた。虎の子の画像を公開するこ
日経ビジネスでは2015年3月23日号で特集「2000万人の貧困」を掲載しました。日経ビジネスオンラインでは本誌特集に連動する形で連載記事を掲載しました(連載「2000万人の貧困」)。本誌とオンラインの記事に大幅な加筆をし、再構成した書籍『ニッポンの貧困 必要なのは「慈善」より「投資」』が発売されました。 日本社会に広く巣食う貧困の現状は、その対策も含めて日々変化しています。特集や連載では紹介できなかった視点やエピソードを、書籍の発売に合わせて掲載します。 今回は、若者の貧困に対してある対策を取り始めた外資系スーパーの取り組みを紹介します。 「“最強外資”ゴールドマン・サックスが貧困に投資する理由」や「『社会的インパクト投資』が問う公と私の新しい関係」などで触れたように、より多くの人が「支援を受ける側」から「支援する側」「納税する側」へ回るようになれば、社会全体は恩恵を受ける。 今回紹介す
8月27日木曜日、東芝特集取材班は刷り上がったばかりの「日経ビジネス」8月31日号を携えて、東京・浜松町の東芝本社を訪れた。 「東芝 腐食の原点~社員が本誌に決死の告発~」 表紙を見た東芝の広報・IR担当者は顔をしかめ、3ページ目の「編集長の視点」から始まる東芝の関連記事を丹念に読み始めた。広報担当者はときどき首を傾げ、「うーん」とうなり、前のページに戻り、15分ほどで特集を読み終えた。本を閉じると視線を上げて、こう言った。 「社内から、いろいろな情報がそちらに寄せられている、ということですね」 日経ビジネスは東芝が不正会計に走らざるを得なかった理由を探るため、広く情報を求めた。500人近くから情報が集まった。グループ会社や退職したOB・OGを含め、多数の東芝関係者からも話を聞いた。そうした現場から噴出する「悲鳴」を聞くにつれ、東芝の病巣の深さに戦慄さえ覚えたほどだ。 「くれぐれも社内で犯
佐藤 浩実 日経ビジネス記者 日本経済新聞社で電機、機械、自動車を6年間取材。13年4月に日経ビジネスへ。引き続き製造業を担当。 この著者の記事を見る
だが、会社に忠誠を誓う代わりに雇用を守る暗黙の「契約」を、会社は反故にし始めた。世界競争にもまれる中、かつて大量採用した「バブル入社組」を支えきれなくなってきたのだ。捨てられるバブル入社組。だがそれを「卒業」と考えれば、必ずしも不幸ではない。 日経ビジネス8月3日号の特集「社畜卒業宣言」では、「契約不履行」に走り始めた企業の実態と、それによって、居場所をなくし始めたバブル入社組の姿を描き、その先にあるべき未来の雇用形態を探った。 この連載では、特集の連動企画として、誌面では紹介しきれなかったアンケート結果の詳細や、新たな働き方を始めた先駆者の試みなどをリポートする。手始めに、取材した実話を基に構成したストーリーを通じて、会社による一方的な契約不履行に直面して困惑するバブル入社組の実像を浮き彫りにする。 日中の最高気温が35度近くに達し、今年一番の暑さとなった7月中旬の夕方。東京都内の中堅広
なぜ歴代経営者が利益の「かさ上げ」を指示してきたのか、それに対して監査法人はどんな対応をしてきたのか。東芝の不正会計問題で、同社が設置した第三者委員会が出した報告書は、ほとんど肝心なことに答えていない。さらに謎が深まったと言ってもよいだろう。 歴代トップ同士の権力争いが利益かさ上げに結び付いたとか、相手を陥れるために証券監視委員会に内部告発した、といった話は聞こえてくるが、そもそも権力闘争だけで、長期にわたって組織的に巨額の金額の利益をかさ上げするのは極めて不自然である。何か、そうせざるを得ない理由があると考えるのが普通だ。 さすがに大手メディアもその不自然さに気づき始めた。2006年に買収した米ウエスチングハウスに関連して「のれん」の償却や、繰り延べ税金資産の取り崩し問題が背景にあったのではないか、という報道が出始めている。つまり、会計処理が会社の命運を左右していた、というわけだ。 そう
「ノーと言えない組織風土って……。フツー言えないだろ?」 「だよなぁ。所詮、サラリーマンだし」 「会議とかで意見求められたときなんて、思わず死んだフリ(笑)」 「言うだけ損ってか?」 「ハハハハ」――(一同悲しい笑い)。 例の東芝“不適切会計問題”に関する報告書は、ついこんなシーンを思い描かせる内容だった。 え? 「そこじゃないだろ! 注目すべきところが。ガバナンスが◎△※●××~~〜〜〜」って? はい。そうかもしれません。会計処理やら監査やらに詳しい方たちには、叱られてしまうかもしれません。が、所詮、餅は餅屋。 世の中で生じる問題の9割は、人のココロが影響すると確信している私には、 「コレじゃダメだ! どうにかしろ!」と厳しく迫る上司と、 「………」と口をギュッとへの字にして貝になる部下。 で、その部下が自分の部署に戻り、 「コレじゃダメだ! どうにかしろ!」と自分の部下に迫り、 「……
不適切な会計問題で揺れる東芝の田中久雄社長が21日、東京・浜松町の本社で記者会見を開いた。前日の夕方に公表した第三者委員会の報告書を受けてのことである。報告書は「利益の水増しに経営陣が関与していた」と厳しく指弾しており、「田中社長辞任」の新聞辞令も出ている。 しかし取材生活27年、数々の名経営者や迷経営者に会ってきたシニア記者の勘は、「首謀者は田中社長ではないぞ」とささやく。真相はいずこに。ここは猛暑をついて突撃せねばなりますまい。 まさか名門・東芝の中枢で… 「これはアウト」 東芝が20日に公表した報告書の要約を自宅のパソコンで呼んだシニア記者は、深いため息をついた。まさかあの名門・東芝の中枢で、こんな情けないことが行われていたとは。 もうお読みになった方も多いと思うが、核心の部分だけ抜き出してみよう。 いくつかの案件については、経営トップらが意図的な見せかけ上の当期利益のかさ上げの実行
東芝の第三者委員会が調査報告書を公表しました。一読した印象は。 郷原:今回の東芝問題の本質は、会計処理が適正だったかどうかです。会計監査人、つまり新日本有限責任監査法人がどんなチェック機能を果たし、東芝の経営陣がどう対応したのかが最大の焦点であるべきです。ところが報告書では、一番大事なところを「スルー」しています。 東芝については、経営トップの確執や社内風土など、ガバナンス(企業統治)の問題が騒がれています。しかし、焦点はそこではありません。経営トップが過大な利益目標を「必達」だと押しつけて、現場が何かをしたとしても、最終的に監査法人がきちんとチェックできていれば、会計問題は起きないはずです。 この点をしっかり詰められなかったことが、報告書の最大の問題です。監査法人との関係性が明確にならない限り、東芝経営陣に「不正の意図」があったかどうかが認定できないからです。 「だます」か「見逃してもら
韓国メディアは6月26日、日本で死刑が執行されたことを一斉に、詳しく報道した。 要点は、 闇サイトで出会った3人の男が女性を残虐な手段で殺した 被害者の母親が犯人を死刑にすべきと訴え、5年間で33万人の署名を集めた 名古屋地裁は、被害者を直接殺害した犯人に死刑を宣告した 日本の裁判所は母親の訴えを受け、死刑に関する暗黙のルールを変えた。従来は3人以上を殺害した犯人にだけ死刑判決を下していた 今回の死刑執行は、安倍政権(第1次を含む)において22番目である 国際人権NGO アムネスティは日本の死刑執行を批判している 日本の死刑執行を報じるある記事のコメント欄には6000件を超える書き込みがあった。そのほとんどが、死刑の執行に賛成する内容だった。 「犯罪者にも人権があるという人がいるが、人間であることを放棄した犯罪者に人権はない」 「人権団体が主張する死刑廃止、人命尊重は美しい話だが、娘を奪わ
「ネット炎上」という言葉が定着したのが2005年。2015年で「炎上」10周年を迎えたことになる。2005年はどんな年だったか。 2月にライブドアがニッポン放送買収に動き、4月に個人情報保護法が施行。プロ野球では楽天ゴールデンイーグルスがパ・リーグの一員となった。郵政解散で小泉純一郎首相率いる自民党が圧勝した8月には、アップルの音楽配信サービス「iTunes Music Store」が国内でサービスを開始、前年2月に招待制で始まったSNS「mixi」がこの8月にユーザー数100万人突破、同年12月に200万人突破と破竹の勢いで成長を見せていた。 現存する国内企業ブログで恐らく最古参と思われるリコー「GRブログ」の開設が8月31日。ティム・オライリー氏が「Web2.0」の概念を提唱したのもこの年だ。そして12月、秋葉原の劇場でAKB48がひっそりと初公演を行った。 事件も起きた。 きんもーっ
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