2015年7月28日、「トヨタ自動車の世界販売台数(2015年1~6月)が2位に転落」というニュースが流れた。要因の一つに、中国など新興国での販売不振があるという。このニュースを聞いて、2015年6月初旬に出張した上海で出会ったA氏のことを思い出した。 上海で生まれ育ったA氏は、日本に留学していたことのある親日家。市内の日系企業に勤め、最近、「迷ったけれどトヨタではなくBMWを購入した」というアラサーの男性だった。なぜトヨタではなく、BMWを選んだのか。その理由について聞くと、こんな答えが返ってきた。 「トヨタ車は、安いけど性能は高くない。上海人にとってトヨタの印象は『まぁまぁ』ってとこかな」 「まぁまぁ…」。日本人としては少し残念な気持ちになってつぶやくと、A氏は微笑みながらこう補足した。 「トヨタ車は中国では高級車のうちに入らないんです。中国人の中でも特に私たち上海人は、ブランド志向が
