【ニューヨーク=加藤賢治】国連安全保障理事会は19日、ウクライナ情勢で公開協議を行った。同国南部クリミア自治共和国とセバストポリ特別市のロシア編入に関し、ロシアのチュルキン国連大使は「ロシアとクリミアの再統合だ」と述べ、正当性を訴えた。 チュルキン大使は、1954年にソ連共産党のフルシチョフ第1書記がクリミアの帰属を変更した決定を「独断的な行動」と批判。帰属変更は当時のクリミア住民の同意を得ていなかったと指摘した。今回の編入は住民投票の結果に基づく「再統合」であり、「歴史的な不正が正された」と述べた。 米国のパワー国連大使は、「泥棒が何かを盗んでも、その所有権が認められるわけではない」と非難。チュルキン大使が「我が国に対する侮辱だ」と反論する場面もあった。