撮影用に家に持ち帰ってきたアカネズミ。ヒメネズミ同様森林,それもどちらかというと保全度の高い極相林などに適応した日本産のネズミだ。種子食も行うが,運動性の高い昆虫なども捕まえて森で暮らしている。拾い食いではなく,ハンターと考えた方がよい生活史を持っている。樹上利用能力が高いヒメネズミの方は極論すると種子も餌として利用できるヤマネみたいなもの。だから冬でも冬眠はしない。 ネズミ類は1,000種を超えるが,大部分のネズミが一夫多妻か乱婚で基本的に一夫一妻型の婚姻システム(monogamy)を持つ種は限定される。ヒメネズミの方はそれにカテゴライズされる希少タイプで,半樹上性の生息環境利用など空間分布や代謝と餌要求製などがその婚姻システムに影響していると考えられる。哺乳類は,母親が先行して胎盤を持つことで胎児のステージからケアを始めてしまうし,産んだ後も初期段階では母乳で育てる,初期投資量が半端じ