あんまり評論家の人の文章は読まないんだけれども、佐々木敦さんは例外的にちゃんと読んでいる人だと思う。それは何も評論家の書くものはつまらないだとか言っているわけではなくて、ただ個人的に言ってることの意味がよくわからないことが続いたから避けるようになっただけなのだが。もちろん部分部分わかるところもあるし、理屈の通り方とその理論を単独で見た構築物として見たら面白いと思うのだけど、作品を読んだ時の実感と理論の繋がりについていけないというか。理論は面白いけど作品と本当につながってるのか……?? 全然わからない……となる。 佐々木敦さんの視点の置き方や文章はそういう意味で言うと、作品にキチンとくっついている安心感がある、というか作品のこういう要素が読者にこういう影響を与えますよね、と「読者に」接した地続きの論を展開しているイメージがある。といっても僕も佐々木敦さんの熱烈なファンというわけではないのでた