今回はヘッドフォン/イヤフォンによるポータブルオーディオリスニングにおいて、特に音質向上の面で高い効果が得られるものとして注目度が高まりつつある「バランス駆動」について、そのメリットや対応製品の現状を整理してみたい。 一般的なヘッドフォンの駆動方式として多く採用されている「アンバランス駆動」(またはシングルエンドとも呼ばれる)では、「+/プラス極」にアンプ(正相)からの音声信号が、「-/マイナス極」にはGND(グランド/アース)が左右のチャンネルそれぞれにケーブルで伝送され、左右のドライバーを2台1組のアンプ回路で駆動する仕組みになる。ケーブル内部で左右のグランドが共通化されているので、合計3本の信号線が配置されるかたちだ。 プラグは2カ所のリング状の樹脂で絶縁された3極構造になり、これをアンプ側のジャックに接続する。アンバランス駆動のメリットとしては、製品本体の製造コストが低く抑えられた