東京電力福島第1原発事故で、所長として現場の指揮を執った吉田昌郎氏の聞き取り調査をまとめた「吉田調書」。6回目は、3号機が爆発したときの証言をまとめた。 〈ヒアリングは平成23年3月14日の行動に移っている。14日は午前6時半ごろに3号機で原子炉圧力が上昇し、爆発する可能性が高まっていた。危険と判断されたため約1時間、作業を中断、作業員は現場から退避していた〉 吉田氏「退避かけても2号機のラインを作ったりとか、放っておけないんでものすごく迷ったんです。作業させるか、させないか、再開させるのかどうか。これは議事録には載ってませんけれど、このとき本店と『いつまで退避させるんだ』という話があり、『爆発する可能性があって現場に人間をやれない』と私は言ったんです。ただ2号機の注水とかあるんで、どこかでやる必要があるという話をしました」 〈作業を進めたい本店と作業員の安全を考え、再開に迷う吉田氏。安全
