逆転野球人生 巨人三軍からわずか50万円の金銭トレード、新天地で覚醒して“西武キラー”と呼ばれた本原正治【逆転野球人生】 誰もが順風満帆な野球人生を歩んでいくわけではない。目に見えない壁に阻まれながら、表舞台に出ることなく消えていく。しかし、一瞬のチャンスを逃さずにスポットライトを浴びる選手もいる。華麗なる逆転野球人生。運命が劇的に変わった男たちを中溝康隆氏がつづっていく。 桑田と同学年の同期入団 故障持ちの誰からも期待されていない三軍投手が、翌年には一軍のオールスター戦に出場する。 かつて金銭トレードをきっかけに、そんな奇跡のような逆転野球人生を実現させた投手がいた。1990(平成2)年6月中旬、巨人からダイエーへ移籍した本原正治である。魚屋の息子として育ち、名門・広陵高では技巧派右腕として活躍。身長177センチ、体重67キロと線は細かったが、ムチのようにしなる右腕と上体の使い方は天性の