行方不明者の捜索が中止になった二日、関東管区機動隊長野中隊の浅岡真中隊長(42)が、木曽署で取材に応じた。霧がかかって過酷さを増した現場の状況と、捜索を断念せざるを得なかったはがゆさを語った。 県警からはこの日、四部隊五十七人が出動し、浅岡中隊長の部隊は午前六時に王滝村の王滝口を出発。噴火口に近い王滝奥の院を目指したが、十一時半に到着手前で中止が決まった。 王滝口に向かって風が吹き、九合目付近から水蒸気と火山灰が一帯に立ち込め、目の前が真っ白になった。「雨がっぱはセメントを塗り付けられたような状態になり、視界がほぼゼロの場所もあった」。硫化水素ガスを感知したこともあり、下山を余儀なくされた。「二次災害を出してはいけない中で、判断に悩むことはある」と打ち明けた。
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