ダイレクトエアキャプチャー(以下、DAC)とは、大気中のCO2を直接回収するテクノロジーの総称。 2015年12月、COP21で合意されたパリ協定で、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5度に抑える努力を追求することが示された。以来この技術は、パリ協定の目標達成や脱炭素化向けた大きなソリューションになる可能性があると、世界中で注目されている。あらゆる産業や国が炭素排出量の削減目標を打ち出しているが、航空業や重工業といった産業は、性質上完全な脱炭素化が難しいため、こういった技術を用いてオフセットをできるようになることが必要とされているからだ。 国際エネルギー機関によると、2020年6月時点で、ヨーロッパ、アメリカ、カナダに合計15のDAC工場があり、1年間に約9000トンのCO2を吸収している。 CO2排出の多い火力発電所や工場などからCO2を回収する技術は一般的に「CCS」と呼ばれ