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ブックマーク / specialprovidence.seesaa.net (15)

  • 中国のマグレブ試験線

    中国で、全長200キロメートルに及ぶマグレブの試験線を造るそうです。日でも42キロメートルに及ぶ試験線を造りましたけど、中国ではいきなり200キロメートルだそうです。やはりスケールが違いますね。 記事を読む限りでは、高温超伝導体を使おうと考えているようです。そうなると、ドイツ技術を導入して上海に造ったトランスラピッドの延長上にある技術ではなく、日の超電導リニアと同じ技術、ということになるのでしょうか。トランスラピッドは常伝導方式でした。しかし、記事に掲載されているモックアップの写真は、車体がレールを挟み込んでいるようにも見えて、日の側壁浮上方式とはまた異なる技術にも見えます。詳細な技術は、何らかの情報が公表されない限りわからないですね。 最高速度が600km/hというのは、日の500km/hにいくらか上積みしました、という感じのある数字です。これが技術上の必然であるようには思えま

  • 人はどのように鉄を作ってきたか

    『人はどのように鉄を作ってきたか』を読み終わりました。久々に鉄道以外のですね。と言っても鉄ですが。 著者の永田氏は大学の教官で、金属工学、冶金が専門のようです。製鉄の歴史をかなり研究してきたようですね。大きく言えば、ヨーロッパの伝統的製鉄法、日の伝統的製鉄法(たたら製鉄)、そして近現代の製鉄法の3種類を紹介していますが、ヒッタイトに始まる鉄の歴史も多少触れています。 木炭で鉄鉱石を熱することが非常に重要だったのですね。炭素成分が鉄に浸透すると融点が下がるのだそうで、鉄そのものの融点まで熱して溶かしているわけではないのだそうです。現代の製鉄ではそれをコークスでやっているわけですが。著者は、これを熱する用途(必ずしも炭素でなくてよい)と、鉄の炭素成分量の調整(炭素が必要)に分離してはどうかと、電子レンジで加熱しながら炭素量の調整だけ別途炭素を添加して製鉄するという方法を考えたそうで、実際に

  • 整備新幹線 紆余曲折の半世紀

    『整備新幹線 紆余曲折の半世紀』を読み終わりました。著者の鶴通孝氏は鉄道ジャーナル編集部の方で、つまり『鉄道ジャーナル』を執筆する傍ら、取材した知識に基づいてこのをまとめたようです。単に『鉄道ジャーナル』掲載記事をまとめ直しただけ、という感じではないようです。 全国新幹線鉄道整備法以降の、基計画と整備計画の設定の流れ、国鉄分割民営化に前後して着工をめぐる政治的動向、財源スキームの変化など、一連の整備新幹線をめぐる経緯がうまくまとめられていました。技術面より、制度面・財務面での理解をしたい人にとっては、最適なではないかと思います。そうした一般論とは別に、各整備新幹線の個別の事情を路線ごとにまとめたページもあり、2の軸になっているように思います。 ただ、ミスも見受けられますね。18ページ、7200キロに及ぶ新幹線建設計画を指して、当時の国鉄延長の3分の2と書いていますが、3分の1の誤り

  • 新幹線台車亀裂問題運輸安全委員会経過報告

    昨年の12月に、新幹線の台車に亀裂が入っているのが見つかって急遽運行中止になった重大インシデントで、運輸安全委員会が経過報告を発表しました。 詳しく中身を見ていくと、川崎重工業で台車を製作したときの誤った研削の話はもちろん書いてあるのですが、空気ばねの圧力データから、いつ頃亀裂が広がったかが解析されていて面白いです空気ばねの圧力データなんて経時的に記録されているんですね。グラフが記載されていますが、1前の下り列車でも兆候は明確ですし、もっと言えば前日の列車でも確かにそれ以前とは明確な違いが出ているように見えます。これまでも予想されていましたけど、やはり亀裂が次第に拡大していたのをずっと見逃していたというより、当日と前日くらいで急激に広がって危険な状態になった、ということのようですね。 当該編成は、N700系で、N700A仕様の改造を受けたものですが、改造車は台車振動検知装置は取り付けてい

    tk18
    tk18 2018/07/01
    >空気ばねの圧力データから、いつ頃亀裂が広がったかが解析されていて面白いです
  • ゲートウエー鉄道用トンネル計画

    アメリカの連邦政府予算で、なかなか正式な予算が成立せずにつなぎ予算で政府機関の閉鎖を先延ばしする事態が続いていますが、新たな歳出法案を報じる記事で、「ハドソン川の下を通りニューヨーク州とニュージャージー州を結ぶゲートウエー鉄道用トンネル計画に資する」という記述があるのを見かけて気になりました。 これは調べてみると、現行のハドソン川をくぐる、北東回廊用のトンネルが線路容量の限界に達しているために、さらに複線を追加するという計画のようです。現状で24/時を通しているそうなので、これは日の基準で見ても、通勤列車と高速鉄道(アセラエクスプレス)が混在している中では、ほとんど限界に近い輸送力だと思います。これに合わせて、可動橋になっているために船舶通航時に列車の運行が止められてしまう問題がある、ニュージャージー州の橋を永久橋に架け替える話も出ているようです。 実際にはまだ提案段階のようで、今回は

    tk18
    tk18 2018/03/25
    アメリカ・北東回廊
  • えちぜん鉄道・福井鉄道直通利用好調

    えちぜん鉄道と福井鉄道をつないだ直通の利用が好調という話です。この話、聞いたときはそんなところをつないで利用がどの程度あるのだろうと思っていたのですが、完全に予想を外しました。さすがに土地勘がないところは予想が難しいです。 9か月間で10万8000人ということは、1日400人弱くらいですね。単に線路をつないで直通させただけでこの程度増えるのなら充分ペイしているのでしょうか。車両の新規投入などの負担はありますが…。単に乗り継いで利用していた人が直通利用に変わっただけなら、純増にならないということなので、ペイしないことになりますけど、そのあたりの数値を見てみたいものです。 福井は、えちぜん鉄道の高架が設高架に切り替えられるのが6月と決まったので、新幹線高架を走っている様子を見られるうちに見に行きたいのですが、なかなか行ける機会がないですね…。

  • 新幹線ネットワークはこうつくられた

    『新幹線ネットワークはこうつくられた』を読み終わりました。交通新聞社新書の最近の発行です。著者の高松良晴さんは国鉄の建設局にいた技術者です。以前も『鉄道ルート形成史』というを書いておられ、今回と同じ交通新聞社新書でも東京の通勤鉄道網の形成を描いた『東京の鉄道ネットワークはこうつくられた』を書いておられます。 今回は新幹線に焦点を当てて、東海道新幹線から北海道新幹線新函館北斗開業までの範囲で、新幹線の建設がどのように行われてきたかをまとめたとなっています。建設が決まるまでの経緯、ルートの選択、特に難工事であった土木構造物の説明、といった感じのことがまとめられています。これらの話題でうまくまとめてあるはそこまでないので、工事誌などと丹念にたどるしかないことが多く、この版型・値段できちんとしているのは嬉しいことです。 たとえば、九州新幹線の鹿児島中央駅は、在来線に直交する形で突っ込んで行き

  • 戦争と鉄道の世界史

    鉄道に関する複数の著作があるクリスティアン・ウォルマー氏の新しい作品、『戦争と鉄道の世界史』を読破しました。この方の著作は、イギリス国鉄民営化の失敗を描いた『折れたレール』、全世界の鉄道史を通観した『世界鉄道史---血と鉄と金の世界変革』を既に読んでいます。私の知る限り、日語訳されたのはこれで3冊目のはずです。翻訳されていないものとしては、世界初の地下鉄メトロポリタン鉄道の盛衰を描いた"Subterranean Railway"、イギリスの鉄道史を描いた"Fire and Steam"などがあります。 さて、内容は鉄道が戦争に対して果たした役割を歴史の順に追ったものです。過去にマーチン・ファン・クレフェルト氏の『補給戦』を読みましたが、まさにこれで書かれているのと同じような話であり、実際にクレフェルト氏の著作が頻繁に参照されています。鉄道が到来するまで、軍隊というのは満足に国からの補給

  • N700Sの新技術

    新幹線N700Sで採用する新技術の情報が公開(PDFファイル)されています。 主電動機が6極駆動モーターになる、というところに思わず注目してしまいます。極数が増えると、同じ周波数の電力では回転速度が落ちますから、主制御器のスイッチング周波数を上げて高周波数で駆動する必要があるはずです。SiCインバーターになったから、そういうことができるようになった、ということでしょうか。一般に低トルク高速回転モーターの方が、大きな出力を出しやすく、軽量化もしやすいと思うのですけど、極数を増やすとどのあたりに効果が出てくるのか、気になるところです。1台車に主電動機は2個付き、1台車当たりの軽量化効果が約140kgということなので、1個のモーターで約70kgの軽量化です。これは結構大きな値ですね。 また歯車装置がハスバ歯車からヤマバ歯車になる、というところも興味深いです。モーターと車軸の変位を吸収する駆動装置

    tk18
    tk18 2017/10/07
  • 鉄道網消費電力量予測システム

    鉄道総研が、JR西日のアーバンネットワークを対象にした消費電力予測システムを確立するそうです。単一路線くらいだと、直流電気鉄道のモデルを使ってシミュレーションする技術はほぼ確立しているのですよね。 この記事を見ると、運転操作も反映するようなので、列車位置における電圧降下を反映して列車性能を変えて、きちんと振る舞いを再現するようなシミュレータなのでしょう。ダイヤを固定してしまったら楽に計算できますが、このモデルだと結構な計算量になるでしょうね。それでも、やればできるかな、という感はあります。 これをもとに、運転操作を改善して省エネにする、というのはどこまで効果があるのだろうかと思います。リアルタイムでシミュレーションしながら、最適運転操作を各車両に配信して指示するようなことができるのでしょうか。シミュレーションをできるようにすることと、それをもとに最適値を計算することの間には、さらに大きな

  • 軌間可変車両評価資料

    九州新幹線長崎ルートでの採用についていろいろ揉めている、軌間可変車両ですが、国土交通省が評価結果の資料(PDFファイル)を公開しています。 耐久性が問題になっているということでしたが、車軸の摩耗が結構あるようですね。摩耗対策を実施した車軸で再度試験をして、60万キロ程度で車軸交換が必要になる、と見込まれているようです。さらにこの方式の改良も検討しているようです。ほかに、歯車付外筒と車輪スリーブという部品について検討がされています。一番最後のページに図入りで解説されているものの、正直これが何をする部品なのかよくわかりません。車輪スリーブというのは車輪と車軸の結合部付近に描かれているので、もしかすると、軌間可変の機構に特有の、車軸の伸び縮みする部分なのかもしれません。歯車付外筒という部品は見たところ、駆動装置に関連するもののようです。 経済性の評価がはっきりわかりません。トータルコストが従来型

  • 明治期伊丹の鉄道

    伊丹市立博物館が出している史料集『明治期伊丹の鉄道』を読みました。 この当に史料集で、解題として章の頭に編集者の簡単な解説が記載されている他は、ひたすらいろいろな資料の原文を掲載しています。このため、昔の文体を読みこなせる必要があります。幸い、手書きの難しい字を読みこなす苦労は必要なく、編集者の方で読んで活字にしてくれているので、現代の活字が読めるなら何とか読み解くことができます。もっとも、現代の観点からすると非常に難しい漢字が使われていたり、候文であったりして、なかなか読みづらいのも確かです。 伊丹地区の鉄道は、当初は伊丹の酒造家が酒の輸送を目的として、馬車鉄道として始まりました。川辺馬車鉄道といい、尼崎から伊丹を通り川西まで、そして伊丹で分岐して宝塚までを計画していましたが、馬車鉄道の時代には尼崎から伊丹までしか完成しませんでした。神崎(JR尼崎駅のあたり)で、官設鉄道と平面交差

  • 軌間可変車両の比較

    週刊東洋経済のオンラインウェブサイトで、フリーゲージ列車がスペインで成功したワケという記事が公開されています。この手の記事で、「〇〇する訳」みたいに記事名を付けるのは、そうすることでページビューを稼ぎやすいということがあるようなのですが、あまり内容をきちんと表現できていないものになっていますね。実際には、成功した理由をきちんと解説できていません。 スペインが、広軌の在来鉄道網を持ちながら、なぜ高速新線で標準軌をあえて選択したのか、についての解説はきちんとされていますね。しかし、日でうまくいっていない軌間可変車両が、スペインだとかなり実用化されている理由は、まだまだ不足しています。 この記事でもスペインでは広軌と標準軌の可変をやればよいのに対して、日は狭軌と標準軌の可変が必要で、床下機器のスペースなどで非常に強い制約となっているということには触れています。これは重要な問題です。 しかしこ

  • 中国高速鉄道のダイヤ批判

    Railway Gazette International誌の2014年12月号に、中国の高速鉄道のダイヤについての批判が出ていました。記事を書いたのはドイツの鉄道関係者のようで、どうにも中国は高速鉄道のダイヤ設定が下手だ、という趣旨のようです。 日の東海道新幹線が、片道1時間に12、最大で15も運転しているのに、中国の高速新線は8も運転すれば実質的に一杯になるというのは、ダイヤの設定がどうにも下手だと分析しています。待避の時間が長いのだそうで、1追い抜き待ちをするのに7分も停車することがあり、 中には2待避で17分停車などというダイヤがあるそうです。これは、350km/h運転を実施する意味を損ねている、と批判しています。「東海道新幹線なら、1待避なら3分、2待避でも6分で出しているだろ」とのことですが、いやまったくその通りで、著者の国であるドイツでは、日中国のような

  • なにわ筋線構想やや前進?

    梅田北ヤードの新駅に関する記事で、なにわ筋線について考慮はするけれど準備工事はしないようだ、と書いたばかりですが、読売新聞がJRと南海で共同運行をする話が出ているという記事を出してきました。何とタイムリーでしょう。 記事にもある通り、なにわ筋線は梅田と難波をなにわ筋の地下で結び、南海にとっては悲願の梅田乗り入れを果たし、JRにとっては関空特急「はるか」などをショートカットすることができる路線です。構想はずっとされているのですが、巨額の建設費のために見送られ続けています。 南海にとっては、梅田や新大阪に乗り入れできないと意味がない構想ですが、JRにとっては関空輸送でのライバルに塩を送る形になって面白くないのかもしれませんね。今のところ、新大阪から関空へ直通できる鉄道はJRだけですから。しかし、この記事によれば、JR西日が南海側の直通を認める意向だそうです。JR西日としては、なにわ筋線を造

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