地球温暖化への関心の高まりから、ジェット燃料を使用して大量のCO2を排出する航空機の利用に、欧米を中心に「フライト・シェイム(飛び恥)」との批判が強まっている。航空業界のCO2排出量は世界全体の3%程度だが、乗客1人を1キロメートル運ぶ際のCO2排出量は鉄道の6倍。このため、民間航空業界を管轄する国連の専門組織「国際民間航空機関」(ICAO)は2022年、国際線の航空機が排出する二酸化炭素(CO2)を2050年に実質ゼロ(カーボンニュートラル)とする目標を採択した。世界の航空機産業は今、脱炭素化に向けて大きく舵を切っている。 スタートした次世代航空機の開発プロジェクト 2050年のカーボンニュートラルに向け、ICAOは、「新技術の導入」「運航方式の改善(燃料節約)」「持続可能な航空燃料(SAF)の活用」の組み合わせによってCO2排出量削減を図り、基準となる排出量を超過した分は、排出権取引に
水素燃料電池を使った航空機向けエンジンメーカー、米ゼロアビア(カリフォルニア州)が2026年にも商用飛行に乗り出す。まず欧米で運航するほか、資本提携する伊藤忠商事と組みアジア展開も検討する。欧州エアバスも水素航空機の開発を進めており、環境配慮の飛行機に商機が広がっている。ロンドン中心部から北西に電車と車で約1時間半。のどかな田園風景が広がる地方都市にあるコッツウォルド空港にゼロアビアの開発拠点
東芝と欧州航空機大手エアバスは16日、水素航空機の開発に向け、超電導モーター技術の共同研究で提携すると発表した。エアバスは、燃料電池を使って水素を電気に変換し、モーターを回して飛行させる技術を確立させたい考えで、モーターに強い東芝を提携先に選んだ。2035年に水素航空機の実用化を目指す。 航空機の脱炭素化に向けて、東芝子会社、東芝エネルギーシステムズは19年から超電導モーターの開発を開始。22年に同等の出力のモーターと比べ、10分の1以下の軽量・小型化した超電導モーターを開発した。 エアバスの子会社、エアバス・アップネクストとの共同研究で、中長距離に対応できる2メガワットのモーターの開発を目指す。 東芝との提携理由について、エアバスのグゼゴルツ・オムバッハシニアバイスプレジデントは16日に東京都内で開いた記者会見で「超電導モーターや発電の分野の世界的なリーダーで、勝てる技術を作れると思った
水素エンジン試験の状況 川崎重工は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発プロジェクト」として採択された「水素航空機向けコア技術開発」(以下、本事業)において、小型航空エンジンの水素100%燃料による運転試験に成功しました。 本事業は、水素航空エンジンの実現に向けて水素燃焼技術の開発を進めるものです。今回、従来燃料用の自社製小型航空エンジンに当社が新たに開発した水素用燃焼器などを搭載して水素燃焼運転試験を実施しました。試験は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)・能代ロケット実験場(秋田県)で行い、水素のみを燃料とした着火から回転上昇、定常運転、回転降下、停止までの一連の運転動作において、安定したエンジン運転が可能であることを確認しました。 今回の試験は、2021 年より実施している3つの開発項目のうち「水素航
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、航空機向け水素燃料電池エンジンの開発・製造を行うZeroAvia, Inc.(本社:アメリカ・カリフォルニア州、CEO:Valery Miftakhov、以下「ゼロアビア社」)に出資いたしました。また、アジアにおける販売代理店契約、および保守整備体制、空港インフラ、水素インフラの構築を共同で推進する覚書を同社と締結いたしました。 世界の商用航空機は2042 年に約4.4万機(2023年比1.6倍※)に達する見込みであり、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機関)は、2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げております。航空業界の脱炭素化は国際的な課題であり、解決には再生航空燃料(SAF)に加えて、水素航空機等の新技術が必要とされています。 ゼロアビア社は、従来のジェ
伊藤忠商事は9日、航空機向け水素燃料電池エンジンの開発・製造を手がける米ゼロアビア(カリフォルニア州)に出資し、業務提携契約を締結したと発表した。水素と酸素の化学反応で作る電気でモーターを回転させる同エンジンの販売をアジア圏で推進するほか、水素インフラの整備などに共同で取り組む。出資額は明らかにしていない。環境規制が強まる航空業界のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)需要を取り込む。 ゼロアビアは2023年に19人乗りの航空機に同社製の水素燃料電池エンジンを搭載し、試験飛行を成功させている。25年には9―19人乗り、27年には40―80人乗りの航空機向けで認証取得を目指しており、すでに複数の航空会社から合計約2000基の予約注文を受けているという。 伊藤忠は今回、同エンジンの日本を含むアジアにおける販売代理店契約を締結。保守整備や空港・水素インフラの構築でもゼロアビアと協業す
NEDOは、長距離物資輸送に向けた無人航空機技術の開発および実証に着手する。水素やSAFなどで運用できるハイブリッド動力システムや軽量構造技術、高出力モーターなどの要素技術開発を進める。 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2024年5月22日、長距離物資輸送に向けた無人航空機技術の開発および実証に着手すると発表した。 同事業は、30~50kg程度の物資を最長1000km程度輸送できる、垂直離着陸可能な無人航空機の開発を目指す。水素やSAF(持続可能な航空燃料)といった代替燃料で運用できるハイブリッド動力システムや軽量構造技術、高出力モーターなどの要素技術を開発。試験機で評価試験を実施し、長距離物資輸送に向けた無人航空機技術を確立する。 離島間や洋上インフラへの物資輸送、山岳地域や海上での要救助者の捜索、送電線やパイプラインなどの広域インフラ設備の点検、災害時の被害状況調査など
年に一度、世界の航空会社や機体メーカーなどの首脳が一堂に会するIATA(国際航空運送協会)のAGM(年次総会)。80回目を迎えた今年はアラブ首長国連邦のドバイで現地時間6月2日から4日まで開催され、例年以上に代替航空燃料「SAF(サフ、持続可能な航空燃料)」に関する活発な議論が交わされた。 IATAによると、航空業界が掲げる2050年までにCO2(二酸化炭素)排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向け、航空会社やエネルギー企業、政府関係者などがさまざまな視点で議論することで、現在と将来の課題を可視化する狙いがあったといい、日本からは国土交通省航空局(JCAB)で国際航空などに長く携わってきた大沼俊之次長もパネルディスカッションに招かれていた。 一方で、SAFの生産量は全世界が必要とする年間航空燃料需要の0.53%にとどまっており、今年の生産量は前年比3倍の19億リットル(1
主な特長 航続距離と持久力の向上 BSAの水素システムは、バッテリー駆動の代替品よりも単位質量あたりのエネルギー量が多く、より長時間の飛行を可能にする モジュール式電気刺激装置(特許出願中) パワートレインは自己完結型のポッドに完全に統合されており、それぞれがモジュール式で簡単に取り外し可能 高速水素充填時間 各翼に給油口が1つずつあるため、合計のターンアラウンド時間は10分未満 快適なキャビンデザイン 人間工学に基づいた広々とした空間と広い視界 メンテナンスコストの削減(特許出願中) 独立した交換可能な軽量推進モジュールで、数分で分解・交換が可能 故障に強い 独立したプロペラに発電を分散させることで、単一の故障が航空機レベルの故障を引き起こすことがないようにしている 清潔で静か 水素を燃料とする燃料電池から電気を生成することで、副産物は純水だけという、静かな飛行体験が可能になる 技術仕様
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