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ブックマーク / sakstyle.hatenadiary.jp (56)

  • ジェラルド・M・エーデルマン『脳は空より広いか』 - logical cypher scape2

    脳神経科学者エーデルマンによる、「意識」についての研究の一般向け啓蒙書。 基的には、全くその通りだよなあと思いつつ読んだけれども、うむむまだよくわからんなーという部分もあった。 とりあえず、まずはの内容をざっと紹介。 意識について エーデルマンは意識の特徴として、主観的であること、統合されていながら、かつ変化していくことなどを挙げている。 特に重視しているのが、統合されながら変化していくということである。 意識は、様々な要素が合わさって単一のシーンとして構成されている。目に見えている様々な感覚やら感情やら何やら。そしてその中から要素だけを取り出そうとするのはほとんど不可能(例えば、クオリアについて、「赤」のクオリアなどといって、あたかもそれだけ単独で取り出せるかのように語られることがあるが、それを否定している)*1。そのように統合されながらも、時間的推移にともなって次々と変化していくも

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  • 第九回文学フリマ・『筑波批評2009冬』告知! - logical cypher scape2

    12月6日に大田区産業プラザPiOにて行われる文学フリマに、筑波批評社で参加します。配置番号は、R-1です。 新刊『筑波批評2009冬』がでます。 想像の涯ての眩暈 シノハラユウキ 世界の中心で亜人 シノハラユウキ ハイエク『市場・知識・自由』を読む 二〇一〇年代にWebサービスはあるのか? 伊藤海彦 新たなる神の顕現?――2ちゃんねるにおける<神>概念について 藤田直哉 詳しくは、『筑波批評2009冬』内容紹介 - 筑波批評社 僕は今まで書いてきたフィクション論のまとめ、みたいなものを書いています。 ゼロアカ道場に参加した時の2008秋号で書いたフィクション論がありますが、あれの完全版のようなものです。もっともあの時のものとも色々と変わっているのですが。 西村清和だったり伊藤剛だったりグッドマンだったり古川日出男だったり黒沢清だったりです。 それからもう一つは、冲方丁「シュピーゲル」シリ

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  • 長谷敏司『あなたのための物語』 - logical cypher scape2

    タイトルはテッド・チャンっぽくて、設定はイーガンっぽくて、病や死といった身体性をテーマにするあたりが伊藤計劃っぽいとなれば、そりゃもう読むしかないw とはいえ、読んでみての感想は、(ある意味当たり前だけど)そのどれでもない感じである。というか、正直なところ感想を書くのが難しい。 『あなたのための物語』を評価するのは結構僕自身は両義的である。「純文学」としては文章や描写が殺伐としている。「エンターテイメント」としては、展開などがフラットすぎる。しかしそのフラットさが、作中にもある「平板化」とあわせて、ある意味を持っているところが、評価の迷うところ。 http://d.hatena.ne.jp/naoya_fujita/20091028/1256730069 これは、id:naoya_fujitaの感想だが、確かに文章の上でもストーリーの上でも、言ってしまえば退屈なところがある*1。余命半年を

    長谷敏司『あなたのための物語』 - logical cypher scape2
    tokada
    tokada 2009/11/15
  • 冲方丁『スプライトシュピーゲル』『オイレンシュピーゲル』 - logical cypher scape2

    何でこれを今まで読んでなかったんだ、自分! と後悔すると共に、何はともあれ完結する前に追いつくことができて良かったと思う。 ラノベの到達点 『ガンスリンガーガール』と『虐殺器官』を足して、さらに「キャラクター」を掛け合わせてブーストしたような感じの小説 設定や物語のレベルでも色々と面白いのだけど、加えて文体レベルでも、ラノベの到達点というか、キャラクター小説の文体として一つ突き詰めてみせたようなところがあって、面白い。 筑波批評で高橋さんが論じていたスケールの問題をちょっと考えていたり。 戦闘級ないし戦術級の問題と戦略級の問題はいかにつながるのか。セカイ系はそこが短絡しているわけだけど、シュピーゲルシリーズは戦術面においてベストを尽くせば戦略面での活路が開けるというような展開なのかなあと思う。藤田さんがいうところの、ひぐらしとか雷撃SSガールとかの流れとも繋がったりするのかなあと思ったり思

    冲方丁『スプライトシュピーゲル』『オイレンシュピーゲル』 - logical cypher scape2
  • 哲学者RPGを作ろう計画Ver0.3 - logical cypher scape2

    哲学者RPGを作ろう企画 - pon_zhanの日記 哲学者RPGつくろうぜ計画 ver0.2 - 覚え書き、あるいは思考メモ というわけで、流れに乗ってみることにした。 哲学者RPG分析哲学編。 導入 主人公がフレーゲと会うところから始まる。数学の基礎について語り合う2人。そこに、究極奥義「パラドックス」を習得したラッセルが現れる。フレーゲは、アイテム「宵の明星・明けの明星」と「数学を守ってくれ」という遺言を主人公に託して倒れる。ここに、英米(と中欧)を舞台にした哲学の戦いが始まる! 論理実証主義 ノイラートと戦うときは、船上がフィールドになる。基的には、レベルが弱いときに経験値を稼がせてくれるくらいの強さの敵キャラだが、時々マッハを召喚することがあり、その際は逃げた方が得策。 ネーゲル もちろん、コウモリに変身する。 サール 密室に閉じこめられて、戦う。戦っている最中に中国語が聞こえ

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  • NoNoWire09面白かった - logical cypher scape2

    どうも、お久しぶりです。 さて、今日は初音ミクの誕生日らしいです。おめでどうございます*1。 でもまあそんなこととは関係なく、最近の自分はニコマスにはまっているので、以前にわかボカロファンとしてボカロ曲を紹介したように、にわかアイマスファンとして、アイマス動画を紹介しようかと。 というわけで、8月28日まで行われていたNoNoWire09からいくつか。 NoNoWire09について、詳しくは[企画告知]ニコマステクノ祭 NoNoWire09 - テクノはいい、心が洗われる。をどうぞ*2 今すぐNoNoWire09の会場に行きたい方は、こちらへどうぞ。 電子音楽限定のニコマス祭りです。 こちとら、WIREなんか行ったことないし、電子音楽も大して知らないし、アイマスファンとしてはにわかもいいとこなんですが、かなり楽しませてもらったので、好きな動画でも紹介しようかということです、はい*3。 これ

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  • 外部のなさとしてのセカイ系 - logical cypher scape2

    『社会は存在しない』を読んでいて考えたことなどを書いていく。 『コードギアスR2』と『ダークナイト』 笠井は、「セカイ系と例外状態」の中で『コードギアス』を画期的な作品だとしたうえで、R2のラストについても論じている。例外状態において親殺しによる成熟は不可能である。それは社会という秩序が予め失われているからであり、父を殺したところでその末に登録される社会領域はない。ルルーシュもまた、父を殺しても秩序へと回復することができない。 ルルーシュは、汚辱と罪を背負っている。皇帝になることは自ら否定した父の姿を反復することに他ならず、秩序の再建のためにはルルーシュは去らねばならない。これは、オイディプス神話における予言の自己成就的な状況でもある。 例外状態の収束のために、例外状態における汚辱を自らに集中させて去るのである。 ところで、渡邉の議論はアメリカ映画にも及ぶ長いリーチをもつものであるが、収録

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  • 『社会は存在しない』限界小説研究会編 - logical cypher scape2

    サブタイトルに「セカイ系文化論」とある通り、セカイ系評論集となっている。 「何を今更セカイ系なんて」と思う向きにも、ちょっと立ち止まってもらいたい。 これは、セカイ系と称されてきた作品について論じる、というわけではなく、セカイ系という概念がどこまで使えるのかということをテストしているなのである。 では、何故そのようにしてセカイ系という概念をテストしなければならないのか。 そもそもセカイ系というのは、90年代後半からゼロ年代初頭にかけてのオタク的作品に見られた傾向に対して、揶揄的につけられた呼称である。ところが、ある時期までには軽蔑的なニュアンスはある程度まで薄れて、いわゆる「時代のリアル」を映している言葉として使われるようになっていった。 例えば、印象派という言葉もまた、揶揄的につけられた呼称であった。 セカイ系を印象派に喩えてみる、というのは、「何故今更セカイ系なのか」という問いに答え

    『社会は存在しない』限界小説研究会編 - logical cypher scape2
  • 稲葉振一郎『社会学入門』 - logical cypher scape2

    あとがきによると、稲葉振一郎の勤める社会学部1年生向けの授業を元にしたとのことで、元々一般教養科目としての性質があったようで、「社会学」入門であると同時に一般教養である。 一般教養であるって、よくわからない言い方になってしまったw 全部で14講に分けられているのだけれど、格的に「社会学」の話になるのは実は第9講から。 例えば、最初のいくつかは理論とは何かとか、方法論的個人主義と方法論的全体主義の違いについてとか、もちろん社会学と絡めて語られているけれど、より一般的な考え方の話であるし、第7講と第8講のモダニズムの話は、いわゆる前衛芸術や社会学以外の学問の話となっている*1。 大学の授業というのは、結局先生の専門をがーっと話されたりするので、1年生の時にこうやって包括的な話をしてくれる授業があるのは、大変よいのではないかなと思った次第。 社会学なのに全然社会学の話しないじゃねーかって思った

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  • 第八回文学フリマ感想 - logical cypher scape2

    空中キャンプ/伊藤聡『下北沢の獣たち』 ブログ空中キャンプの中の人である伊藤聡の短編小説集。 空中キャンプは以前から、時折書かれるエッセイやショートショートに数多くのブクマを集めており、いわばその文章の魅力というのは折り紙付きであった。そういう意味では、「待望の」一冊と言っていいかもしれない。 というわけで、最初から楽しみにして読んでいたのだが、その期待を上回る作品だった。 簡単にいってしまえば、「プロの犯行」とか「なんだ、ただの神か」とか、そういったコメントやらタグやらをつけたくなる作品。 一番目の作品「アイコ六歳」が素晴らしい。これは、ブログでも書かれたことのあるネタで、アイコというのはつまり、東京のど真ん中の森に住んでいる彼女のことである。ブログに書かれたときも十分面白いものだったのだけど、ブログの一ネタではなくて、短編小説として一つの作品としてまとまったものとなっている。 この作品

    第八回文学フリマ感想 - logical cypher scape2
  • お疲れ様でした - logical cypher scape2

    文学フリマ参加者のみなさん、事務局・スタッフのみなさん、文学フリマに関わった全ての皆さん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。 新しい会場でも、大盛況の中無事終了しました。 僕のところも、おかげさまで盛況でした。ありがとうございます。 新会場であるPiOに入った最初の感想は、デカッでした 何もかもが広い! とても快適でした。 広さに負けないだけの人の入りもあって、よかったと思います。 それから、色んな人にも会えて、色んな話ができました。 楽しかったです。 条くんは言いました「感想書くまでが文学フリマだよ。」と*1。 僕も全くそう思います。いつも一応、感想など書いてきました。今回もできれば書きたいと思っているのですが、しかしなかなか状況がそれを許してくれないということもあって、書けないこともあると思います。そのときはすみません。 それから、会場から写真をTwitterにpostし

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  • 日曜日は蒲田で! - logical cypher scape2

    今回もまた参加させていただきます。4回目かな。 ほんとは文学フリマにかまけてもいられないのですが、何だかんだで色々と関わっています。というわけで、告知がいっぱりあります。というか、それだけ楽しいことがいっぱいあるってことです。是非とも、日曜日には会場まで足を運んでいただければなあと思います。 Twitter シノハラユウキ・夏目陽presents『Twitter』 僕と夏目さんの2人で、ついったらーの皆さんに声をかけたり、アンケートをしてもらったりして作ったです。 多くの人の協力によって、面白いを作り上げることができました。 内容は多岐にわたりまくっていて一言では説明することができません。 論考や往復書簡にエッセーや小説。内容も、twitterを中心としたネット上での現象を扱ったものから、サイエンス・コミュニケーションについてや音楽映画、文学を巡るものに、黒歴史や文具指南術といっ

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  • 森村泰昌『踏み外す美術史』 - logical cypher scape2

    名画に化けてそれを写真に撮るという作品を作り続けている森村泰昌による、美術入門書 少し違う観点から、絵を見てみるというもの。 最初は「モナ・リザ」 彼自身がモナリザに変身するというのが目的なので、モナ・リザが一体どういう服を着ていて、どういうメイクをしていて、どういうポーズを取っているのかというところから見ていく。その際、物のモナ・リザだけではなく、模写されたモナ・リザも参照している。今のモナ・リザは既に劣化している部分があるけれど、模写であれば、まだ劣化していなかった頃のモナ・リザの情報を伝えているところがあるからだ。それから、モナリザにまつわる様々な言説の中から、モナリザ自画像説とモナリザ妊娠説を取り上げる。森村流モナリザ解釈は、「身ごもる男」である。 さて、モナリザは何故これほどまでに名画と言われ続けているのか。森村は、彼女は西欧文化のキャンペーンガールなのだと考える。「身ごもる男

  • スーザン・ブラックモア『「意識」を語る』 - logical cypher scape2

    哲学者、心理学者、神経科学者などなどの「意識」研究者へのインタビュー集。 著者のスーザン・ブラックモアは、『ミーム・マシンとしての私』の著者。僕は、このタイトルと名前しか知らなかったので、てっきり生物学者か何かだと思っていたので、訳者解説を読んで驚いた。この人、超心理学、つまり超能力の研究で博士号を取ったらしい。しかもこの人、自分には自由意志はないと公言して憚らないすごい人でもある。 とはいえ、書における彼女は別にそんなとんでもない人ではなくて、とても分かりやすく深いところまで切り込んでくれる。彼女と研究者たちの打ち解けた対話から、彼らの音まで伝わってくるようだ。彼女は、彼らの理論について尋ねるばかりではなく、「死後の世界はあるかどうか」といった質問や、「あなたの研究はあなたやあなたの生き方を変えたか」といった質問を投げかけて、単なる彼らの解説に終わらない言葉を引き出すことに成功してい

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  • 伊藤計劃氏逝去 - logical cypher scape2

    遅ればせながら、逝去の報に触れたのでここに記録しておきたいと思う。 それにしても、好きな作家の死というのはどう受け止めればいいのだろうか。 僕は直接面識があるわけではないので*1、その人が死んだことについての悲しみはあまりないし、仮にあったとしてもそういうことをいうのは、当に近しい関係にあった人たちにむしろ失礼にあたるだろう。 ショックではあった。 彼が癌であり、残された命が決して長くないことはもちろん知っていたけれど、やはりショックであった。 何もそれが今日でなくてもいいではないか、と思った。 それにしても若い。 まだ35歳だ。 僕のおおよそ10歳年上だ。 そんな若い人でも死んでしまう時には死んでしまうということが、溜まらなく怖ろしい。 何よりも、伊藤計劃という作家がいなくなってしまったのは残念でならない。 彼の次回作はもう読めないのだ。 好きな作家が死ぬということを経験するのは初めて

    伊藤計劃氏逝去 - logical cypher scape2
    tokada
    tokada 2009/03/25
  • 椹木野衣『増補シミュレーショニズム』 - logical cypher scape2

    91年に書かれた『シミュレーショニズム』に、講義編を加えたもの。 講義編は01年に書かれたもので、文章が全く異なっている。 講義編は、ですます体で書かれていて、80年代から90年代にかけての作家と作品が、分かりやすく順を追って紹介されている。 編では、文章の雰囲気が一転する。 そもそも僕は、ここで取り上げられているアーティストを知らないので、その意味で分かりにくいということはある。 しかし、それだけではない、わかりにくさがある。文章そのものが難解というわけではないのだが、哲学や思想やあるいはオリジナルの専門用語がならべられ、レトリックが展開されている感じ。僕がそもそも、取り上げられている具体的な作品が分からないことと相まって、時折、文章だけが浮遊していくような感じがする。 巻末の解説で福田和也曰く、 ここでは批評が圧倒的な優位のうちに、勝利を謳歌している。 かくも徹底的に、批評の欲望を露

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  • 最近ボカロを聞き始めたばかりの俺が - logical cypher scape2

    なんとなく、いくつか曲を紹介してみる。 言わずとしれた名曲。 cosMoPの曲はわりとどれも好きだが、やっぱりこれが一番すごいな。 消失自体は前から知っていたけど、cosMoPという存在を知ったのはcosMo a.k.a 暴走Pという天才の発掘 - 死に舞がきっかけ。ボカロを聞き始めるきっかけにもなった。 それから、初音ミクオリジナル曲 「0」 - ニコニコ動画と 初音ミクオリジナル曲 「∞」 - ニコニコ動画もいい。 この3曲はどれもおすすめ。 次は、ちゃぁPの曲。 ちゃぁPの曲を今ざーっと全部聞いたけど、どれもこれもいい曲ばかりだ。 その中でも特にかっこいいのを2曲。 こういうアップテンポの曲から静かな曲から何が何だかよく分からん曲とかネタっぽい曲まで色々ある。 【初音ミク オリジナル】selfish illusion - ニコニコ動画とか 【初音ミクオリジナル】necrocarniv

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  • 藤村龍至/TEAM ROUND ABOUT編著『1995年以後――次世代建築家の語る現代の都市と建築』 - logical cypher scape2

    フリーペーパー『ROUND ABOUT JOUNAL』を通じて、多くの建築家らにインタビューを行ってきた、藤村龍至とTEAM ROUND ABOUTによるインタビュー集。 1971年生まれの藤壮介から、82年・83年生まれの大西麻貴+百田有希まで32組の建築家ならびに研究者へのインタビューが並んでいる。ほぼ全員が建築家だが、倉方俊輔、南後由和やドミニク・チェンといった研究者も混ざっている。 インタビューを読むのは楽しい。それが32組という膨大な量だとしても、案外さくさくと読めてしまうものである。とはいえ、もともと僕は建築にたいしてそれほど強い興味・関心があったわけでもなく、インタビューされている人たちもほぼ全員知らない人だ*1。 そんなインタビュー集を何故読んだのか。 実は僕はこののレビューを書くことを依頼されているのだ。いや、正確に言うのであれば、「レビュー書いてくれる人誰かいません

    藤村龍至/TEAM ROUND ABOUT編著『1995年以後――次世代建築家の語る現代の都市と建築』 - logical cypher scape2
  • 『<意識>とは何だろうか』下條信輔 - logical cypher scape2

    「来歴」と「環境世界」という二つの軸から、脳と心・意識の関係を探る。また、このアプローチによって、経験説と生得説、あるいは機能主義と行動主義の和解・融合をも目指す。 脳科学などにおいて、心をやるのに神経の機能だけみてても仕方がない、という立場になった時、あるいは意味論的な問題が浮上してきた時、身体や環境へと向かうか、クオリアへと向かうか、という二つのアプローチが現在なされているのではないだろうか。 心とは、脳と身体と環境が相互依存的に生み出しているものである。脳は環境の反映(「来歴」)であり、環境は脳の反映(「環境世界」)である。そして、意識はその中でサーチライト的な役割を担う。 意識や心を「密室」から解き放ってくれる 読んでいてとても面白かった。 意識や知性、脳や心といった分野にはとても興味があり、いくつか読んでいるが、今まで読んできた中で一番同意できた。 環境や身体から意識を捉え、「

    『<意識>とは何だろうか』下條信輔 - logical cypher scape2
  • 下條信輔『サブリミナル・インパクト』 - logical cypher scape2

    作者の9年ぶりの一般向け書籍。あとがきによると、「(一般向けのの)十年間断筆宣言」をしていたらしいので、ほぼ宣言通りということか。 一般向けの書き始めたら学者はやばいなどという話もあるが、下條信輔は何というかそこの絶妙なバランスを保とうとしている感じがある。 下條の専門は心理学・神経科学であり、特に潜在認知の研究を行っているが、そうした潜在認知の研究と、現代社会のマーケティングや政治、あるいは創造性とを関係づけるという書のテーマからも、その絶妙なバランスが窺えるような気がする。 タイトルはちょっとなーという感じがするけれど。 そういうことを言い出すと、文章のすごく細かいところで気になるところがちまちまとあったりする。そこらへんは何というか、新書ブームとかで新書のレベル落ちとかがあったりなかったりしているのではないだろうかとかなんとか、考えてしまったりする。 第一章と第二章は、実験結果

    下條信輔『サブリミナル・インパクト』 - logical cypher scape2