対人関係に障害などがある「アスペルガー症候群」は発達障害の中でも有名です。実は現在、専門家の間では、この名前は使われていません。発達障害の診断基準として世界的に使用されているアメリカ精神医学会策定の「精神疾患の診断と統計マニュアル 2013年改訂第5版(DSM-5)」で、アスペルガー症候群を自閉症などと包括して、「自閉症スペクトラム障害(ASD)」と改めたためです。ASDの中の旧・アスペルガー症候群については最近、ホルモンを使った治療の効果が注目されています。旧・アスペルガー症候群の特徴と治療法を、くどうちあき脳神経外科クリニックの工藤千秋院長に聞きました。【ジャーナリスト・村上和巳】 ◇社会人生活で現れる特徴 日本国内には現在、アスペルガー症候群の人が人口の1%いるといわれています。この計算ならば国内には120万人いることになります。そんなアスペルガー症候群の人が、社会人として生活を
