日本高純度化学(以下、高純度化学)は、電子機器に使われる貴金属めっき薬品の開発・製造・販売を行っている。特に金めっき用薬品に特化し、そのシェアは高い。本社は東京の都心から離れた練馬区にあり、周囲にはマンションなどが立つ。「住宅街に薬品を扱うめっき屋さんかー」とも思うが、インタビューでそのビジネスモデルを知れば、納得できるはずだ。 加えて、同社は1999年に現経営陣が中心となってMBO(マネジメント・バイアウト)を実施したという社歴を持つ。MBOとは経営陣による自社の買収である。このMBOこそが第2の成長期の契機となった。 2009年3月期は、世界同時不況によるエレクトロニクス業界の生産調整の影響で、売り上げは3割減、営業利益は5割減と厳しい決算になったが、それでも売り上げ81.5億円、営業利益は10.8億円を確保した。もっとも、渡辺社長によれば、同社の売り上げにはあまり大きな意味はないとい
