教員が「私のこれまでの出席回数を教えてほしい」と学生から頼まれて困惑するという話しを伺うことがある。出席回数が単位取得のための条件の一つになっている現代の大学において、そのような依頼を行う学生の気持ちもわかるところである。近年は学生が講義をサボらなくなったという風潮があるとはいえ、「最低限の出席回数を満たせることになるかどうか不安だ」、「単位を取得できないのであれば無駄な時間を使いたくないので今後はすべて欠席したい」、「単位取得に必要な出席回数から逆算して、あと何回欠席できるか確認したい」などの理由によって、さらに、わからないことについては教員に尋ねるべきだという「真面目」な風潮があるという理由も重なって、出席回数についての質問が生じることになる。なお、単位を取得できない学習がほんとうに無駄かどうかはわからない。また、他方、そうした「真面目」さは実のところ目新しくもあって、わからないことは