沖縄県うるま市教育委員会(栄門忠光教育長)が26日、世界遺産の勝連城跡の発掘調査で、ローマ帝国とオスマン帝国の金属製の貨幣(コイン)計5点が出土したと発表した。4点は3~4世紀のローマ帝国、1点は17世紀のオスマン帝国で製造された貨幣であることが判明。背景について3人の識者が解説した。 この記事の他の写真・図を見る ■歴史はかる重要資料 沖縄国際大学・考古学 宮城弘樹講師(41)の話 日本は江戸時代(前近代)まで中国の影響を受け、丸い金属貨に四角い穴の開いた「円形方孔」の貨幣が中心だった。一方でインドから西のアジア、ヨーロッパ地域では、金銀貨など重量で価値基準を判断する「鍛造(たんぞう)貨幣」が流通しており、東西の貨幣には大きな相違があった。 この点から東アジアにおける鍛造貨幣の発見は特異な事例で、勝連城跡の流通や交流の歴史像を考える上で、重要な資料になる。 勝連城跡にかかわる人物