【ニューヨーク=田中光】米イリノイ州のクイン知事(民主党)は9日、同州の死刑制度を廃止する法案に署名した。無実の人の死刑執行を避けるため、などとしている。7月1日に施行する。 米連邦最高裁が死刑を「合憲」とした1976年以降、死刑が廃止される州は、2009年のニューメキシコ州以来、3例目。米国では死刑が各州で定められているが、これで死刑制度が残る州は34州になった。 イリノイ州は、オバマ大統領の地元。死刑囚13人の死刑判決が不当だったことが相次いで明らかになり、00年から執行停止が続いている。03年には当時のライアン知事(共和党)が全死刑囚167人を終身刑などに減刑した。今回、死刑制度が廃止になることを受け、現在の死刑囚15人も終身刑に減刑される。