3月30日、三井住友銀行のヘッド・オブ・リサーチ、山口曜一郎氏は、英国人は治安や移民問題を経済以上に重要視しており、欧州連合(EU)離脱が総合的な国益にかなった合理的な選択だという結論に至る可能性はあると指摘。提供写真(2016年 ロイター) [東京 30日] - 筆者は先週、休暇を使って、かつて9年ほど駐在していた英ロンドンを訪問した。せっかくの機会でもあり、1週間ほどの滞在期間中に、ブレグジット(BREXIT)、すなわち英国の欧州連合(EU)離脱の可能性について情報収集を行ったところ、日本で感じていた雰囲気とは異なる印象を受けた。 世論調査では離脱と残留が拮抗しているものの、6月23日に予定される国民投票では現状維持バイアスがかかりやすいこと、経済的にはデメリットが大きいことから、現実的には残留が優勢と思っていたのだが、現地で話を聞くと、どうも違う。人々は治安や移民問題などを経済以上に