[Ⅰ] 旧暦 (1)太陰太陽暦 皆さんが慣れ親しんでいる暦とは、太陽の運行を基準とした太陽暦ですが、この他に月の運行を基準とした太陰歴という暦があります。 イスラム教の世界では未だに純然たる太陰暦が使用されています。日本でも、例えば1月はどの年であっても冬であるという季節が感じられる 暦として、太陽の運行も取り入れた太陰太陽歴が用いられていました。江戸時代以前までは中国で作成された暦を使用していましたが、 江戸初期に渋川春海により初めて日本での観測に基ずく大和暦が作成されました。それが貞享暦(左下図に示す展示物は貞享暦に従う享保歴です) というものです。江戸末期には、太陽の動きの取り込み方(平気法と定気法)が貞享暦とは若干異なる暦として天保歴が作成されました。 旧暦と言い習わしている暦とはこの天保歴のことを言います。 太陰太陽歴の基本は、 (1)定朔法(朔月) 新月(朔)の日を月の初日とす