英国を含めた欧州の伝統的なスタイルに合理性と機能性を加えたのが、アメリカン・トラッドの始まりだ。象徴的なアイテムも多く、それらをモチーフにブランドやデザイナーは進化したアメトラを生み出すことができる。 200年の間に熟成されたアメトラ 一昨年、アメリカで『アメトラ』という本が出版された。筆者はハーバード大学を卒業し、IT企業でも働くデーヴィッド・マークスという人物。戦後日本に上陸し、独自の進化を見せたアメトラ、つまりアメリカントラディショナルというスタイルを日本が”救った”ことに驚いている本だ。しかし我々にとっては、トラッドの殿堂ともいうべき本家ブルックス ブラザーズが来年で200周年を迎えるという事実の方が遥かに驚きを覚える。 ブルックス ブラザーズの創業は、1818年。アメリカが独立してまもない頃で、日本では江戸時代だ。英国では伝説のダンディ、ボー・ブランメルがロンドンで名を馳せていた
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