ジョン・テイラー・ガットさんの『バカをつくる学校』で語られている義務教育学校の3つ目の弊害は「無関心」というものだ。ジョン・テイラー・ガットさんは、「私は、たとえ子どもたちが何かに興味を示しても、あまりそれに夢中にならないように教える」と語っている。それは、学校というものが、一貫性のないカリキュラムを持っているので、満遍なく全部をやらせるには、偏った関心を持たせることはまずいからだ。 この「無関心」は学校においては制度的にそうなるように工夫されている。ジョン・テイラー・ガットさんの授業が子どもたちを夢中にさせていても、チャイムがなればその気持ちをすぐに切り替えて別の学習に気持ちを振り向けなければならなくなる。そのときにいつまでも夢中になった気持ちを引きずっていれば、次の学習に支障が生じて落ちこぼれることになるだろう。天才といわれたエジソンのエピソードなどには、そのような気持ちの切り替えが出