約10年間、CEO(最高経営責任者)として日本マクドナルドホールディングス(以下、マクドナルド)の経営の舵取りを担ってきた原田泳幸氏は、代表権のない会長にとどまりながらも実質的には同社の経営からは距離を置き、今後は教育産業大手べネッセホールディングスで会長兼社長として同社の経営に注力することになる。 04年にアップル日本法人社長からマクドナルドCEOに転じた原田氏は、強烈なリーダーシップで経営改革を断行、それまで7年間も減少し続けていた業績を11年12月期まで9期連続でV字回復させた。 その一方で、米マクドナルド本社の方針に沿い、24時間営業店の拡大やFC(フランチャイズ)チェーン拡大を推進。その行き過ぎた経営改革や人員削減は社員やFCオーナーの反感を買い、訴訟沙汰に発展することもあった。そうした中で同社が強みとしていた現場力も低下。これが12年12月期以降の業績続落の原因となったと指摘す