フラットパネルディスプレイの総合技術展「FPD International 2010」(11月12日まで、幕張メッセ)で、韓国のSamsung ElectronicsとLG Displayはそれぞれ、裏側が透けて見えるディスプレイを出展している。多数出展されている3Dテレビなどと並んで注目を集めている。 液晶ディスプレイ自体は元から透明なものだが、有期ELなどと異なり、画素が自発光するデバイスではないため、裏に設置したバックライトで照らすことで見えるようになっている。裏が透けて見える液晶ディスプレイは、通常のバックライト機構を省いて背面が見えるようになっている代わりに、特殊なバックライト機構を設けることで液晶表示も見えるようにしている。 LG Displayが開発した「Window TV」は、裏側が透けて見える液晶ディスプレイ。一見すると曇りガラス窓のようだ。タッチ操作でき、デモではソフト
シャープは4月2日、裸眼立体視が可能な3.4型液晶ディスプレイを発表した。2D/3Dの表示切り替えが可能で、3D表示では専用めがねをかけなくても立体的に見える。携帯電話やデジタルカメラなどのポータブル機器向けに2010年度上期から生産を開始する。 裸眼立体視ディスプレイでは一般的な視差バリア方式を採用した。通常の液晶パネルの上に独自開発の「スイッチ液晶」をはり合わせ、光の進行方向を制御。右目には右目用の、左目には左目用の映像だけが届くことで視差が生まれ、立体的な映像に見える。また、視差バリアを制御して光を透過させれば、左右の目に同じ光が届くため、通常の2D表示が可能だ。 シャープは、2002年にも3D液晶パネルの技術発表を行い、2003年から数年にわたって3D液晶搭載の携帯電話やPC、PCディスプレイなどを実際に販売してきた。しかし、「決して成功したとは言えなかった」(シャープ常務執行役員
「シャープの液晶は変わる」──シャープは9月16日、液晶パネルの性能と生産性を高める世界初の技術を開発し、10月から稼働する堺工場(堺市)に全面的に導入、量産を開始すると発表した。液晶分子の向きを紫外線を使って高精度に制御する技術で、研究室レベルの技術を量産レベルに引き上げた。画質と省エネ性能を高めた新パネルとして同社製テレビなどに搭載していく計画で、2010年度には同社パネルの大半が新技術を採用したものになるという。 新技術は「UV2A」(Ultraviolet induced multi-domain Vertical Alignment、ユーブイツーエー)。紫外線を液晶分子に照射することで、これまで不可能だった液晶分子の「配向」を任意に制御可能にする世界初の技術だ。 同技術を採用することで、コントラスト比を5000:1と従来比で1.6倍に向上させ、液晶ディスプレイの弱点と言われる「沈
シャープは9月16日、コントラスト比5000対1を実現する「UV2 A」(ユーブイツーエー)技術を採用した次世代液晶パネルを開発した。光開口率が高く色再現力に優れるとともに省エネ性能も備えるという。 代表取締役副社長デバイス事業担当の井淵良明氏は「シャープではASV液晶技術を確立することで、液晶テレビ市場を拡大してきた。しかし昨今では世界的に環境性能もクローズアップされ、省エネテレビへ高い関心が集まっている。当社では時代の要請に応えるべく、ASV液晶に代わる新しい液晶技術の開発に着手してきた。ASV液晶で培ってきた技術を結集し、新技術UV2 A技術を開発。これによってシャープの液晶は変わる。UV2 A技術は液晶のシャープだからこそ実現した技術だと考えている」と新液晶に対する自信のほどを話した。 UV2 A液晶技術は、新配向技術によりピコレベルで液晶分子を制御できるというもの。バックライトか
第112回:International CES特別編 CESに見た液晶関連最新技術 ~LEDバックライト、240Hz駆動、極薄モデルなど~ 先にプラズマ編をお届けしたが、本稿では2009 International CESに見た液晶関連の最新技術にスポットライトを当てた。 ■ LEDバックライトには4通りのシステムが存在する ソニーが2008年秋、導光型白色LEDバックライト方式を採用したブラビア「ZX1」、直下型RGB-LEDバックライト方式を採用したブラビア「XR1」を発売して以降、LEDバックライト型液晶の実際の製品投入が加速している。もともとバックライトにLEDを採用する案は2000年代前半からあり、ソニーも直下型RGB-LEDバックライト採用の「QUALIA005」を発売したことがある。 当時のLEDバックライト型液晶は、色チューニングの不十分、色むら、輝度ムラなどなど、画質に若
シャープは7月20日、THXが定める「THX認証ディスプレイ規格(THX Certified Display Program)」を取得した液晶テレビ“AQUOS Tシリーズ”を9月1日より販売開始すると発表した。「液晶テレビとしてTHX認証を得たのは本製品が世界初」(同社)。 65V型の「LV-65TH1」、52V型の「LV-52TH1」が用意され、価格はLV-65TH1が141万7500円、LV-52TH1が84万円。いずれも受注生産での販売となる。 新製品は“AQUOS史上最も美しい”と同社がうたうフラグシップモデル「AQUOS Rシリーズ」をベースに、画面輝度やガンマ値についてTHXの要求仕様を満たした「THX映画モード」を搭載。本格的なホームシアター用途にも対応するモデルとして用意される。 主な仕様はAQUOS Rシリーズの65V型(LC-65RX1W)、52V型(LC-52RX1
サムスン電子など複数のテレビメーカーは、消費者が液晶テレビに対して慢性的に感じている苛立ちを軽減することに取り組んでいる。その苛立ちの原因は、画面の「ぼやけ」だ。 一般的な液晶テレビのリフレッシュレートは60Hzだが、新技術を用いると、100Hz〜120Hz(1秒間に100回〜120回画面を再描画)まで向上することができる。このリフレッシュレートが倍増すれば、事実上1秒間の描画回数が倍増するため、人間の目から見て、より滑らかな映像となる。動き補償フレーム補間(MCFI)と呼ばれるこの技術は、最近、高性能テレビに使用され始めたばかりだ。 映像の精度を上げるために加えられる画像は、同じ画像の繰り返しではなく、連続する画像の間に合わせて新しく作られる。このようにして、テレビ内部のマイクロプロセッサは、映像内に存在しないフレームを仮想的に作りだし、挿入する。 「動画の画質にかかわる問題は、まさに液
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