10月に記者が見た異様な光景 11月17日、兵庫県知事選の投開票が行われ、斎藤元彦氏が元尼崎市長の稲村和美氏や無所属で維新の前参院議員の清水貴之氏を破り、再選された。 午後9時43分、神戸市内の商店街にある事務所に姿を見せた斎藤氏。通りを埋め尽くした1000人を超す人から「サイトウ!サイトウ!」と大きなコールが沸き上がり、斎藤氏は何度も頭を下げた。 内部告発をした元県民局長が自殺するなど、兵庫県政は混乱を重ねてきた。9月に不信任決議案が県議会で議決されると、齋藤氏は「再選を目指す」と表明した。この時点では、稲村氏と清水氏が争う展開が見込まれていた。 それが一転、斎藤氏が圧勝となったのはなぜか。出馬を決めてから、斎藤氏は毎朝駅で朝立ちをはじめた。当初、全国に知れ渡った斎藤氏の「悪評」もあって、振り向く人はわずかだった。 10月8日、JR加古川駅前に斎藤氏は立っていた。おじぎを繰り返す斎藤氏に