元横浜DeNAベイスターズの高森勇旗は、現役時代の2011年、恒例となっていた石井琢朗(現・広島カープ一軍コーチ)との自主トレで前田智徳と出会った。偉大な大先輩を前に緊張を隠せなかった高森だったが、徐々に打ち解けるようになる。「孤高の天才」「求道者」など、前田を形容する言葉は多いが、前田自身が発した言葉というのはじつに少ない。だが、高森は前田と生活をともにすることで多くの言葉をもらい、超一流の考え方を学んだ。高森が見た前田智徳とは、一体どんな人物だったのか。 「孤高の天才」などと称された前田智徳。生涯打率は3割を超えた。 皆さんは、前田智徳と聞いて何を連想されるだろうか。多くの方は、「天才」という言葉を連想したはずだ。天才と称されることが多いイチローや落合博満をもってしても、「本当の天才は前田」と言う。 イチローは、自らの考えを表現することに長けているため、その考えに触れる機会は多い。落合
