アルマ望遠鏡による観測で、若い星オリオン座V883星を取り囲むガスと塵の円盤(原始惑星系円盤)が詳細に描き出されました。この観測からは、円盤内で水が氷として存在する領域としない領域の境界線(スノーライン、snow line)もはっきりとわかりました。氷は、塵粒子の成長や小惑星・彗星の形成、さらには惑星の成長にも非常に重要な役割を果たします。しかもこの星は、星の成長過程に特有の急増光の途中にあります。こうした星のまわりで水のスノーラインが明確に捉えられたのは初めてのことで、惑星形成を理解する上で極めて重要です。 スノーラインは、原始惑星系円盤内の温度が物質の昇華温度に達する領域のことです。これより内側では、中心の星からの光を受けて温度が高いため物質は気体の状態ですが、外側では低温のために氷の状態になっています。物質によって昇華温度は異なりますが、今回描き出されたのは水のスノーラインです [1
