1 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する諸問題 2020.5.15 京都大学名誉教授 川村 孝 今の新型コロナウイルス感染症に対する日本あるいは世界の対策は(間違ってはいるわけではな いが)本筋を少し外しているように感じられます。 ■ 流行の見込み 緊急事態宣言が出た4月7日に先立つ4月1日から新規発症者は減り始めており[1]、潜伏期を 考えると宣言の10日以上前の3月25日前後から新規感染者は減っていることになります。このさき 夏場を迎えるので、冬のウイルスであるコロナウイルスによる感染症はいったん小康状態になると 見込まれます。孤発例や小規模の集団感染は続きますが、大規模な流行には至らないでしょう。 問題は気温の下がる秋です。今までは第一波の前哨戦で、秋が第一波の本番になる可能性 があります。秋入学が議論されていますが、今年度は難しいかもしれません。 冬ウイルスで軽症例