12日に発売される村上春樹さんの3年ぶりの長編小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」をめぐる動きが熱を帯びてきた。発売日には、多くの書店が特別イベントや営業時間前からの販売を計画。東日本大震災後に村上さんが発表する初の長編という話題性もあり、内容についての憶測もネット上をにぎわしている。(海老沢類) ◇予約もハイペース 発売前に50万部用意 村上さんの新作はネット書店「アマゾン」での予約が3月15日の受け付け開始から11日間で1万冊に到達した。これは前作「1Q84」を上回るハイペースで、出版元の文芸春秋は、単行本として同社最多となる初版30万部に加え、3度の重版をかけ発売前に計50万部を刷った。 「発売日には1千冊以上をそろえる。初速で勝負したい」(東京都内の大型書店)。出版不況に悩まされる書店が、人気作家の待望の新作に寄せる期待は大きい。深夜2